March 08, 2007

混合診療禁止

外科的矯正治療という治療法は、歯並びだけでなく顎を手術して大きさなり位置を変えて噛み合わせを直すというもので、通常は矯正治療をして準備(=術前矯正)をしてから手術をする。
手術入院自体は昔から保険適応なのだけど、術前矯正も10何年前から特定の施設であれば保険で行うことができるようになった。でも、治療に用いる装置等に制約があるので、私は自費で行っていて、その代わりかなり安めの値段設定にし、保険では認められないリンガルや透明なブラケットでも行っていたのである。
ところが、保険で手術をする場合の術前矯正は保険でしか行えなくなるらしい。混合診療(一つの治療に保険と自費が混在)は認められないということ。それだけでなく保険で術前矯正を行うためには高額な機器(=下顎運動測定装置、筋電計)を持っていることが必要になるらしく、結果個人の矯正歯科医院では外科的矯正治療を扱いにくくなりそうである。
ウ〜〜ン、迷うところである。外科の必要な患者さんは大学病院に回せということなのだろうけど、管楽器をやっている患者さんで外科的矯正治療が必要な場合、かなり配慮しないと治療中には全く吹けなくなるケースが多いはずだ。実際、去年このブログで報告した当院の外科矯正の患者さん、手術後1ヶ月で楽器を再開し、特に問題なく吹けていてハイトーンもちゃんと出るとのこと。治療開始から10ヶ月程で装置を外せると思う。仮にこの人が一般的な方法で治療をしたとすれば、それはできなかっただろう。
その500万円もする高額な機器というのを実は私は持っているので、多分申請すれば何とかなるんだろうけど、面倒だなあ〜〜保険の手続き。どうしようか・・・

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January 31, 2007

紹介してと言われても

来院を前提としない電話での相談や問い合せは正直勘弁して欲しいです。私は公共の相談所じゃありません。
電話で状況を説明されてすぐその場で答えても、十分じゃなかったり後でこう言えば良かったなと思っても、相手の名前や連絡先がわからなかったりして、責任を持てないということであります。だから基本は直接来院してもらいたいです。来院された方には相談だけであってもちゃんと親切に対応してます。
それでもまだ、私に相談事という電話なら理解できるのですが、最初から「管楽器をやっているが虫歯の治療をしてもらえる歯科医院を紹介して」といった電話が最近多いです。知合いでも何でもないのにです。そちらでこういう治療や相談は受け付けていますか?と聞くのが普通じゃないでしょうか。例えば、何の面識もない○○科の病院に電話して、そちらに行く気はないので他の○○科の病院を紹介して下さい、なんてあなた聞きますかってことです。
それに他院を紹介するのって、例えば近所の人が来て虫歯の治療と言われてどこか紹介するにも、気を使うのですよ。私の口から、どこが上手いとか、どこが良いなんて言えないでしょう。だから、あなたの住所ですと、こことこことここが近いですから、その中の都合の良い所に行かれてはどうですか?と答えるようにしてます。保健所だって特定の所を紹介しないようにしてますよ。
それに、電話で聞いただけで状態も確認せずに紹介するなんて無責任なことはできません。状況に応じて適切な所に紹介するというものです。それに普通「紹介状」は有料なのですよ。私の所の患者さんからはお金いただいてませんけど。健康保険では電話で相談を受けたときの再診料や紹介状書いたときの「情報提供料」300点(=3000円)が認められているのです。

メールで相談を受けたりしてますけど、メールと電話では違うのです。電話は相手の都合でこちらが何をしていても出ることになりますが、メールであればこちらの都合に合わせて対応が出来ます。こちらもこういうことがあるんだと勉強にもなるしHPで公開して皆さんの役に立つこともあるし。
また、以前は「管楽器奏者の歯科医」を掲載していましたけど、いろいろ考えてしばらくはそれはやめることにしました。歯科医自身が管楽器をやっていればいいというものではないし、私としても相手のことがよくわからないのに紹介はできないなあと思うのです。自分でも30年もホルン吹いていてそれなりに本格的にやっていたつもりだったけど、最近になってわかったことがたくさんあって、楽器をやっているだけではわからないよなとつくづく思うのです。
大抵の歯科治療は、それがごく一般的な処置であれば、管楽器演奏に悪い影響をあたえることはほとんどありません。だから、必ずしも管楽器に詳しい歯医者にかかる必要はないのです。まずは近所の歯医者さんで相談しましょう。自分にあう親身になって治療してくれるかかりつけの歯医者を見つけ、定期的にみてもらうことが一番大切だと思います。

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September 23, 2006

持ちネタ作り

この前の学会の時に先輩と話をしていて、その先生は例の「歯科矯正患者に管楽器を吹かせない」という話題があった講演(06.6.27のブログ参照)を聞いたのだそうです。それで、自分の診療室でフルートを吹いている患者さんが矯正治療をして下顎前歯の歯根が出てきたというのですね。それが単に歯肉が下がったのか歯槽骨が薄くなったのかは確認してないけど、他の原因があるはず、おそらくフルートとはあまり関係ないです。でもそんな話を聞けばDrも心配になる。楽器をやめるか矯正治療をあきらめるか選択させることは、患者さんにとっても矯正歯科医にとっても不幸だと思うのにナ。
少し前の学会で別の先輩と話をしていて、その先生は管楽器をやっている人こそ矯正治療をしてよい歯並びにし口腔周囲の機能を回復すべきと考えていて、周りの指導者(吹奏楽部の顧問)の理解を得られないことがあるので、何とか啓蒙したいと思っているのですね。それでその地元で指導者や歯科医師対象に話をしてよ、と言われてまして。
私は大学で教員をしていたわけではないからあまり講演をする機会がないのだけど、所属の歯科医師会で今度何か話をするように言われてる。何年か前に歯科医師会の女性のDrの集まりで、鼻疾患と歯科矯正の関連について自分の所の治療例を交えて話し、合わせて後輩の耳鼻科医を呼んで関連疾患について話をしてもらい、結構好評だったので、その話でいいから・・・ということだったのだけど、その時のパワーポイントのファイルがPC壊れた時に飛んじゃったのであります(残念!!)。で、どうせだから違うネタ=管楽器ネタで講演ができるようにこの機会にまとめようかと考えてます。それがいつなのか把握していなかったのだけど、昨日11月と聞いて・・・あと2ヶ月ダ!そろそろ始めないと間に合わない。
ということで、歯科医師向けにケースを紹介しながら、管楽器奏者の歯科治療によるトラブルや歯と演奏の関連などについて話をする予定です。11/29水曜の夜、場所はたぶん本郷のGCにて。興味のある方はご連絡ください。

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July 06, 2005

ローリング法

ウチの診療室は矯正歯科専門なので自ら矯正しようと思ってやって来る大人の人は、口に関心がある訳なので皆さん歯をきれいにしている。でも中には歯面はつるつるでマメに磨いているんだろうけど歯石(大抵縁下歯石)がついていて歯肉が微妙に腫れている人(大抵30歳以上)がたまにいる。聞くとほぼ100%ローリング法(もしくは縦磨き)で磨いているということである。
現在、どの学校でも歯科医院でもスクラッビング法を指導すると思うのだが、昔はローリング法が流行っていた。テレビのCMでもそうだったから覚えている人もいるのでは。ウチの歯科衛生士さんは私とほぼ同じ歳なんだけど衛生士学校でローリング法を習い就職後もローリング法を指導したということである。私は大学入ってすぐ大学病院で治療を受けた時にスクラッビング法を習ったし(ローリング法用の歯ブラシを渡されたが)講義でも実習でも当然スクラッビング法であった。ということは、ちょうど20年くらい前が切替え時期で多少のずれがあったんでしょうね。だから、それ以前にローリング法を習ってずっとその方法で磨いているとそういうことになるんでしょう。そういう人は虫歯も少なく歯医者に行く機会もなくてということなんだろうけど、そのまま50歳代に突入していたら歯周病で大変なことになってたんじゃないかと思うと、今矯正しようと思い立ってくれてよかったです。
これをご覧のローリング法愛好家の方、ぜひ磨き方を変えた方がいいです。

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February 25, 2005

いつもニコニコ

去年の矯正歯科学会の講演で「笑いは血糖値と遺伝子を調節する」という話があった。遺伝子の研究をされている方であるが、吉本興業と共同で、漫才を聞いた前後の血液を摂取して血糖値の変化を調査をされたそうである。こういう科学系の講演でスライドもビデオもなしに(しかも原稿も見ずにソラで!)トークだけで、どっかんどっかんと笑えた面白い講演は始めてであった。

矯正歯科というのは笑顔を扱う分野である。どうすればすてきな笑顔になるかを考えながらの治療となる。日本人は口唇より上の筋肉を日常であまり使わない。日本語がそういう発音だからである。だからからか、30過ぎて口角が下がってくる人が多いように思うしそういう人は、笑った時に下の歯が見えてくるようになる(若い時は上が見えていた人でも:例としては美空ひばり)。最近は、テレビ等でも顔のエクササイズとか紹介されているけど、意識的に口角を上げてスマイルを作らないと日本人はなかなか良い笑顔にならないのかもしれない。
そんなことを普段考えているものだから、口角を無意識に上げようする習慣が30歳くらいからついてしまい、アンブシュアが変化しちゃった原因の一つになったんではないかと、数年前に口唇より上の筋を使い過ぎと指摘を受けて思った訳です(昔はそんなことはなかったはずだから)。それからなるべく口唇より下の筋を意識してアンブシュアを作ってきたのだ。逆に、当院に相談にきた方の中で、年取って口角が下がってきて口唇より上の筋肉が弱って不調になったんじゃないかと思われるアマチュアの方も何人かおられた。
昨日とあるテレビ番組で見た日本に住んでいるネパール人の方のあまりにもチャーミングな笑顔に思わずこっちもうれしくなった。その方は結構な上顎前突なんだけど、そんなこと全く関係なく素敵だった。人間は笑顔を見ると笑顔になるものである。そうだ、最近あんまり口角上げて笑ってないかも。意識的に口角を上げて笑顔を作ることは作り笑顔かもしれないが、作り笑顔であってもそれは自分自身をうれしい気持ちにさせるように思う。アンブシュアも安定してきたことだし、(楽器吹いてない時は)口角上げていつもニコニコしていたいものである。

今日は知人のクラリネットリサイタルに行きたかったのだけど、診療が長引いて行けなかった、残念。

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