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金管楽器に下の前歯は関係あります

プロトロンボーン奏者が来院した。ある歯科医院にメンテナンスで通っていたら、咬合調整しますと言われ前歯を削られてしまったとのこと。行くたびにどんどん削られ、高音域が普通に吹けなくなり、無理に口唇に力を入れてアパチュアを絞めて吹いているということだった。
見ると何本も前歯が削られ短くなり、唇側面も斜めに削られている所もあった。その歯科医院で咬合調整されたとき、奥で噛むと前歯で咬合紙が抜けてしまい噛まなくなってしまったそうだ。
そちらの歯科医師はご自分もトロンボーンを演奏していて管楽器歯科を名乗り、「金管楽器に下の前歯は関係ない」と言われたという。

まず、下の前歯3本(21|1)の元の歯の形を想定してレジンで戻し、高音域が普通に吹けるようになったが、切端位で下顎がブルブル震える。次に右上の前歯(1|)に削られた形跡があるのでレジンを盛ったところ、切端位で安定した。切端位を取れることは金管楽器には重要なのだ。下顎が左にずれており、右へ動かしにくい状況で、それは右側の犬歯のガイドがないからと考え、削られている右下犬歯(3|)にレジンを盛り、良くなった。

なぜ金管楽器に下の前歯は関係ないと思ったのだろう。アマチュア奏者での歯の治療をした経験からだろうか。何の目的で前歯を削ったのかも謎だが、下顎の右側への側方運動時に前歯が当たるので削ったのかと想像する。それなら若い頃に削ったと思われる右下犬歯にレジンを盛ってガイドさせるべきだったと思う。いずれにしても一流奏者の前歯を、本人が望まないのに削るなんて信じられない。

当院初診時(奥で咬んだところと少し前歯を開けたところ)

2208291 2208292

処置後

2208293 2208294

 

世の中にはいろいろな考えをお持ちの歯科医師がいるので、歯を削られそうになったらよく相談し、気をつけて治療を受けてください。

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