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目指す治療ゴールはいろいろ

矯正歯科医によって目指す治療ゴールはいろいろである。残念ながら。

プロ・クラリネット奏者が相談に来た。他院にて、小臼歯を4本抜歯して唇側ブラケット装置を付けての本格的な矯正治療を行っており、もうすぐ終了と言われたが、今吹きにくいのはどうなるのだろうと心配になったとのこと。前歯が咬んでいないということもあるが、上下の前歯が立っていて標準値よりも20~30度くらい内側を向いている。これは吹きにくいだろうなと思った。
いろいろ話をして主治医と相談してもらうことになった。もし当院で引き継いでとなると前歯を唇側に出してスペースを残すことになるだろう。結局治療元で少々の調整をして器具を外したのだと思う。一度スッキリしていただき、その後何かあれば考えるということで。
矯正治療をする際には分析(セファロ分析といって骨格や歯の角度・位置などを数字にする)をして治療方針を決めるのだが、骨格は手術でもしない限り変えられないので、すべての数値を標準値にすることは難しい。この人は小さい下顎とオトガイなのに、横顔の数値を標準値にするために前歯の角度が犠牲になってしまった。その主治医はとにかく横顔のラインを主眼に治療をしたのだろう。私だったら歯の位置を標準にして、オトガイが小さいから横顔のラインはそこそこに楽に口唇閉鎖できることを目指しただろうな。

フルートを勉強している音大生が相談に来た。他院にて、非抜歯で下顎歯列のみの矯正治療を行っていた。上顎歯列はノータッチで下のみブラケット装置だけというのは吹きにくい。下の叢生を改善するために広げて下顎の前歯が唇側に傾斜して、さらに吹きにくかったと思う。いろいろ話をして当院で治療を行うことになった。上下小臼歯を抜歯して、普通に上下唇側ブラケット装置を付けて治療をしている。
世の中には「歯を抜かずに直す」ことを重要視する歯科医が割と多い。本来抜歯のケースを無理に抜かずに直すと、歯は前に傾斜しかみ合わせが浅くなり口唇が閉じにくくなる。多くは楽器が吹きにくくなるが、その歯科医にとっては抜かずに済んだということが大事なのだ。

どの歯科医院でも歯並びを治療すれば吹きやすくなるとは限らないのでご注意ください。

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