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October 2019

October 22, 2019

MFTの現実

以前に矯正歯科における口腔周囲筋機能療法(以下MFT)と、それを管楽器演奏にどう活かせるかという話を書いたが、先日日本筋機能療法学会大会の講演を聞いた。その中で、矯正歯科におけるMFTは口腔機能の改善を目的としているのではなく、歯列と周囲の筋肉の均衡が取れればよいという話があった。機能的に問題があっても困ってなければ直す必要がないということを言っていたのだと思う。
歯科診療はボランティアではないから、確かに本当に必要なことのみすべきなのであろう。昨年から「口腔機能発達不全症」という病名が付いて保険適応になった。とある矯正歯科専門医院では矯正治療中の患者でも保険で算定しているという話もあった。(おそらく、混合診療禁止というルールの中では認められなくなる可能性はあるであろう。)通常はMFTは1回3千円とか場合によっては基本料の追加分をいただいているかもしれず、金銭的にも時間的にも患者さんに負担がかかり、保険ともなれば財政にも負担がかかる。もちろん歯科医院側にも負担がかかる。
もしかしたら当院では、そういった観点では必要のない患者さんにも行っているのかもしれない。しかし、多くの症例でMFTを行うことにより矯正治療がきれいに早く進んで、その後安定することは確かだと私は思う。何より口腔機能を改善することで、その患者さんの幸せや将来の健康につながるのであれば、口腔機能に問題が少しでもあればやりたいと私は思う。特に当院では管楽器奏者の患者さんが多いわけだが、MFTの話をすると、演奏上の悩みに通じるようで積極的に取り組んでくださる。
当院では、MFTの費用は原則いただいていないし(通常の治療費に含んでいる)、専用のスペースもあるし、私は治療は早いしブラケットの脱離も少ないし皆きれいに磨いてきて歯磨き指導に時間を取られないから時間はあるし、ちゃんと講習会を受講してMFT大好きという衛生士さんが2人いるし。だから、そんなことを言っていられるのだとは思う。

他の矯正歯科医院で治療中あるいは治療済という患者さんが先週2名来院したのだけれど、あきらかに舌癖があって、1人は治療が長引いて直らない、1人は装置が壊れて後戻りを始めていた。聞くと舌のトレーニングはやったことがないという。MFTは矯正歯科の中ではかなり認知されてきたと思っているが、まだまだ専門医院でも取り組んでいない所が多いのが現実のようだ。

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