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May 26, 2019

早期教育と早期治療

日本では管楽器を始めるきっかけが中学の吹奏楽部ということがほとんどなので、多くは13歳、早くても小学校高学年から管楽器演奏の経験がスタートするのが現状ではないかと思う。しかし、海外のトッププレーヤーの経歴を見ると、7~8歳から管楽器の勉強を始めていることが多いようだ。

管楽器は口腔の機能と口腔周囲の筋肉を使って演奏する。上達のポイントとなる筋肉の中には、管楽器演奏の本流といってもよい独墺の言語を発音するために使われるが、日本語ではあまり必要としない筋肉がある。そういった筋肉をゲルマン語を話す民族は生まれながらに使っており、管楽器演奏を習得しやすいという。ドイツの「管楽器の早期教育プログラム」は、さらに管楽器演奏に必要な筋肉・口腔機能を強化し、将来の管楽器演奏のための基礎を作るのが目的なんだろう。早くに導入したある非ゲルマン語国では、すでに多くの世界的奏者が生まれているそうだ。日本でも、将来世界に通用する奏者を育てるために、そのプログラムの試験的な実施が始まった。

そのプログラムは、矯正歯科で行っている口腔周囲筋機能療法(MFT)に似ているものがベースになっているようだ。食べる、飲み込む、話す、口を閉じるといった生活をしていく上での基本的な機能ができていないとすれば、それは管楽器を吹くかどうかにかかわらず早期に改善すべきであり、もし将来管楽器を演奏したいと思うようになった時のための土台は親が作ってあげてほしいと思う。そういった機能と歯並び・顎の形態は関連しており、歯並びに問題のある子どもの多くは機能的にも問題がある。

だからこそ、矯正治療は早いうちに受けた方がいいと思うのだが、歯科医から永久歯がそろってから(だいたい13歳以降)治療しましょうと言われてしまうことが多く、最近増々そういう傾向がある。エビデンスとして、1期治療(おもに7~9歳くらい)をやってから2期治療をやっても、1期治療をやらないで2期治療をやっても、結果は同じ(形態的な数値)だから、1期治療はやるべきではないとまで言われている。
対象が多くなり数字としての差は消えてしまうのかもしれないが、1期治療をやってよかったという経験は山ほどある。管楽器教育に絞って考えても、口腔機能の改善は早いうちの方がよいし、固定式の矯正器具(ブラケット)を付けるにしても、13歳以降より小学生のうちの方が影響が少ないことは明らかである。実際矯正治療をすべき状態の管楽器演奏家は、矯正治療を親が受けさせようと思った時には吹奏楽部にいて治療ができなかったという人が多い。

まだ小学生だけど将来管楽器をやらせたいという方は、早期治療を検討してみてはいかかでしょうか。

 

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