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March 13, 2018

管楽器奏者の筋機能療法(MFT)(1)

口腔筋機能療法とは、咬合不全の原因となる舌前方突出、低位舌、口唇閉鎖不全などの習癖を除去し、口腔周囲筋の機能を改善して習慣化するためのトレーニングである。日本で行われている方法は、アメリカで開発され日本には1980年頃から広まり現在では多くの矯正歯科で用いられている。
アメリカでは専門のセラピストがオフィスを持ち、矯正歯科医はそこに依頼してトレーニングを受けてもらうというが、日本では矯正歯科医院で歯科衛生士が行うのが現状である。
当院でも歯科衛生士さんに講習会で勉強してもらいMFTをやっている。本来トレーニングフィーを患者さんから徴収すべきだろうが、患者さんがもし希望されなかったらと思うと、つい治療費に含めて(追加料金無しで)行っている。歯磨きをちゃんとしてくるとポイントがもらえる制度を作ったところ、それまで歯磨き指導と歯面清掃に費やされていた分の時間をMFTにまわすことができ、当院では半分以上の患者さんにMFTをしている。実際ちゃんとMFTをするとバシッと噛んでくることが多い。矯正治療が順調に進み治療後も安定をするというのが診療におけるMFTの目的である。

では管楽器演奏をしてる患者さんにMFTをどうしているかというと、以前は正直あまり行っていなかった。大昔の研究論文に管楽器演奏が口腔機能向上の役に立つというのがあり、管楽器を演奏することで機能的な問題はないだろうという先入観があった。また、管楽器奏者には口の周りの機能に自信がある人も多少いて、あまり勧める感じでもなかった。

現在はというと、やはり半分以上の人にMFTをやってもらっている。
口腔周囲筋の機能と歯並び咬み合わせは密接に関連している。開咬など主に機能的問題で発生する不正咬合の人は、管楽器を習得しても口腔の習癖を残していることが多いし、管楽器奏者には開咬でなくても低位舌や口呼吸の癖がある人は多いように思う。舌癖はさほどでなくても、治療により変化してきた歯並びに適応するため、あるいはより機能を強化する目的にMFTを希望する管楽器奏者は多い。

もちろん日本の気候や住宅環境、顔面構造により鼻炎などが原因で口呼吸を起こしやすい民族なのではないかと思うが、管楽器演奏が口呼吸を誘発するといわれている話を数年前に書いた。
管楽器演奏は口呼吸を誘発するのか(1) (2)

管楽器演奏するとすべて口呼吸になるわけではないけど、なりそうなボーダーな状態だと場合によっては管楽器演奏が引き金となり口呼吸となり低位舌となるのかなという気がする。管楽器のプロ奏者を見ると、歯並びがあまり悪くなくても口呼吸、低位舌、歯軋り、楔状欠損という人が多いように思う(私の個人的な感想であり統計をとったわけではないです)。口呼吸の習慣が付いたのが歯列完成後であればそのようなことになるし、完成前の小学生くらいから管楽器を始めると開咬など引き起こすこともあるのかもしれない。

つづく

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