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October 24, 2017

管楽器奏者とマウスピース矯正(3)

数ヶ月間自分でアソアライナーを使用してみて、3回ほど壊滅的にホルンが吹きにくくなった日があった。おそらく原因は、上下前歯の関係によって上下唇の被りの加減が変わったこと。具体的には、アンブシュアを作るべく上下の前歯をそろえた時、ほんのわずか(探針ひっかかる程度)下の方が前に来ると、途端に吹きにくくなったのだと思う。
切端位での上下前歯の関係を考慮してセットアップしたアライナーではあったが、移動の過程で一時的にそのような段階になった、あるいは楽器演奏によるプレスでわずかに上顎前歯が内側に入りそのような状況となったのだと思う。

大切なことは、治療中の歯が動いている過程で、吹きにくい歯並びになることを避けることである。特に金管楽器では上下前歯の位置関係は重要である。ゼロコンマ何ミリかの違いで吹きにくくなる。

そのようなことが起こらぬよう、毎回のセットアップ状態を確認し、吹きにくい状況を作らないことが管楽器奏者をマウスピース矯正で治療する上で大切なことと思う。それでもどうしても起こりうるので、毎日のウォーミングアップに時間をかけ、アンブシュアを調整し直すことが必要だろう。

アソアライナーは毎回模型上でセットアップするので、その確認がしやすいが、技工所の担当者のよって正直セットアップの出来が違うのが難点(リカバリーは可能)。1回のセットアップでの移動量が0.8mm程度であり、最終的にセットアップ通りに近づくまでの過程の歯の動きは均一とも限らない。
その点、インビザラインは1回のセットアップでの移動量が0.25mmなので、そういった不均一な動きは起きにくいと思う。インビザラインは最終の仕上がりは術者が調整できるのだが、その過程はシステム上決まってしまう。でも確認は出来るし、ある程度は動かし方のオーダーが出来るので対応はできると思う。

例えば前歯の叢生を直すのにはスペースが必要なのだが、そのスペースを得るために、歯を削る、歯列を側方に拡げる、前歯を前に出すのいずれかの方法をとる。歯を削るのも削りすぎると歯の形が変わりそれはそれで良くない。管楽器奏者であれば、側方に拡げつつ叢生を直し、必要以上に前歯が前方に出ないようにするのが良いケースが多いと思う。

少し前になるが、とある一般歯科医(=矯正を専門としてない)向けのマウスピース矯正のセミナーを受講してきた。歯の動かし方や難易度の判定など、共感できなかったので、その装置(名前は書かない)を使うつもりはないのであるが、前歯を一度前方に傾斜移動させてスペースを作って叢生を直し、余ったスペースを最後に閉じるという動かし方が基本のようである。金管楽器の人にはあまりお勧めできない装置と思った。

いずれにしても、マウスピース矯正の装置にはいろいろあって、歯の動かし方もいろいろなので、できればその辺を配慮して治療をしてもらえるとよい。

つづく

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