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March 02, 2017

管楽器奏者のジストニア(4)

管楽器奏者のジストニアとして一般的なのは、木管楽器のフィンガリングに関わるものと、金管楽器の口唇に関わるものではないかと思う。

少し前になるが、プロのクラリネット奏者が来院された。右手の薬指・小指の動きが悪くジストニアと診断されたが、ジストニアになったのは他の歯科医院で作製したアダプターが原因と考えているので、当院にてアダプターを新調したいということであった。
だったらアダプターの使用を中止すればよいのにと思ったが、それでは口唇が痛くて吹けないらしい。アダプターによって楽器の向きがずれてしまったために、姿勢や指に負担がかかったのが原因と思っているとのこと。私はどっちかというと、楽器の向きを直すためにアダプターを作ったりするから、そういうのは得意である。
木管楽器の人にとって指が思うように動かないというのは深刻なのだと思う。私などは小指を動かそうとすれば薬指が勝手に一緒に動いてしまうが、特に日常生活にもホルンの演奏にも支障がない。腱が元々癒着しているためと思う。私の友人でもフルートを吹くのに指が思うように動かなくなり、何軒もの整形外科を巡ってようやく腱の問題を指摘され手術をして改善した。たぶん、その辺の鑑別診断はきちんとすべきことなのだと思うが、現実として原因が不明なものがジストニアということなのだろう。


金管楽器について、楽器を吹いているときに口唇がブルブルしたり意思に反して余計な動きをすることは、よくあることで、これを「スランプ」と認識している人は多いのではないだろうか。もしかしたら、この中にもジストニアがあるのかもしれない。口唇を引く筋肉とすぼめる筋肉が同時に収縮するということか。そういう私も過去に大スランプになった。本当にブルブルした、吹けなくなった。
当院に来るスランプな人には特徴があるように思う。大体年齢は40歳前後。中音域が鳴らないが、本人は高音域が出ない方が気になる。多くは横に引きすぎや顎を出し過ぎなどアンブシュアが良くない。
私のスランプも同様で、最初はちょっと調子悪いくらいで自覚がなかった。無理をして吹いてアンブシュアを壊したのだと思った。常に頬が痛かった。おそらく無理のかかる吹き方から身を守るためにブルブルしたのだろう。ジストニアというのは、結局身を守るための防御反応なのだと思う。
私はアンブシュアを一から作り直した。それなりに苦労をし時間もかかったが、良かったと思う。その時ご指導いただいた先生の所には、吹けなくなってしまったプロ奏者が多く駆け込んでいるということだった。結局は奏法を見直すことが根本的な解決法なのだと思う。

つづく・・・かも。

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