« 備忘録2016 | Main | 管楽器奏者のジストニア »

January 13, 2017

アダプターは何年もつのか

当院では木管楽器用のアダプター(ミュージックスプリントと呼ぶ人もいる)を樹脂で作っています。商品名「ユニファスト」という即時重合レジンで作製することが多いのですが、一般的に時間がたつと臭いや色が着くため、数年くらいはもつけど、汚くなったら作り直しましょう、とご説明しています。
しかし、数年たって新しい物を作りに来る人はそう多くはなく、やっぱり使っていない人も多いのかなと思っていたのですが、このところ10年近く経って再作製に来られる人もあり、大抵ギョッとするほど汚くてびっくりしていました。

先日来院した人も11年前にクラリネットのアダプターを作製した人でした。それが、とてもきれいに使っていて、少々の変色はしていますがとてもきれいでした。プロ奏者でアダプターなしでは演奏できない状況ということで、長年にわたり毎日長時間使用していたと思われます。
ということで、今度から「まめにきれいに洗えば10年くらいは使える」とご説明することにします。

さてこの方の来院理由ですが、新しいアダプターを試したいということでした。薄くしたいのと、下顎を少々右にずらして「アジャストさせている」(本人談)ので、ずらさなくても吹けるようにしたいということ。上顎前歯の正中が顔面に対し右にずれているため、マウスピースを右にずらしてくわえているので、下顎前歯の中央でくわえるために下顎をずらす必要があったのです。
当時は私も木管楽器のアダプターの作製を始めてまだ少ししか経っていない頃で、下顎歯列とのバランス・対称性を重視して作っていました。(ご本人の希望もあり、ふくらみの無い平らな仕上がりとなっていました。)その後、多くのアダプターの経験をし、金管と同様に上下のバランスが大事だということがわかってきました。ですので、今回は左右非対称の上顎歯列に合わせて、下顎の膨らみの中央をずらし、噛んだ時に均一になるように作りました。予想通り下顎をずらさずに吹けるようになりました。長年慣れ親しんだアダプターの方が慣れた感じの音がしましたが、本人は新しいアダプターに満足ということで、以前の愛用品も新しいアダプターに近づくように削って修正しました。おそらくしばらく練習すればポイントが見つかってより音となるでしょう。

約10年前のアダプター
1701131 1701132

今回作ったアダプター
1701133 1701134

10年も使えてこれ無しでは吹けない存在になるのに、1つ8千円で作っております。レッスンに何度も行くより効果が大きいこともあるんじゃないかと思いますし、価値を感じてくださる方もいますので、そろそろ値上げしたいと考えております。

|

« 備忘録2016 | Main | 管楽器奏者のジストニア »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference アダプターは何年もつのか:

« 備忘録2016 | Main | 管楽器奏者のジストニア »