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August 22, 2016

折れた歯を戻す

前歯が折れてしまったら、私なら瞬間接着剤でくっつけてしまうと、2016.6.1の「前歯を再現する」でつぶやいた。正直言うと実際にアロンアルファでくっつけたことはない。状況によってはありだとは思うが、一般的にはあまりお勧めできる方法ではない。失活歯であれば通常ポストを立ててクラウンを被せる治療を行う。瞬間接着剤でつけるとしても、感染歯質が残っているか、その接着剤が人体に悪影響がないか・・・判断が必要だろう。しかし瞬間接着剤では接着剤の厚さが限りなく薄くなるので、ほぼ元の歯の位置に戻せるというのが大きなメリットと思う。私的に考えていた術式は、まず瞬間接着剤で戻したら、境目をぐるっとタービンで削ってレジンで埋め、舌側から穴を開けてピンで補強するとよいかなと。

とある休日、居酒屋でから揚げをつまみにハイボールを飲んでいるところに当団首席トランペット氏から電話がかかってきた。なんでもするめを噛んで歯が折れたとのこと。おお、それは一大事!(上記を試す絶好のチャンスではある)翌日来院いただくことになりました。折れた歯は右上中切歯で、マウスピースの当たる部位のほぼ中心に位置します(マウスピースが右にずれている)。昨年左上側切歯を抜歯して苦労し、何とか演奏が落ち着いてきていたのに・・・。

見ると折れた場所はちょうど歯肉縁のあたり。つまり考えていた術式は使えません。後で壊れないように一般的な治療法であるクラウンにするかとも考えましたが、側切歯1本変わるだけであれだけ苦労しているので、しばらく思うように吹けなくなることは確かでしょう。まずはそのまま接着して戻してみましょうということになりました。

問題はどうやって戻すかですが、虫歯ではない原因で失活歯となり、歯冠の歯質がほぼ残っていて、破折面はとてもきれいで虫歯もなく、きれいに戻ると思いました。しかしアロンアルファというわけにはいかないので、考えた挙句スーパーボンドという歯科用接着剤を使いました。最新の強力な歯科用接着剤と比べ軟らかく粘り気のある材料なので、むしろ衝撃に強く外れにくいのではないかと思いました。

かなりしっかり圧接したのですが、ほんの少々高くなって咬合調整が必要になり、吹いた感じが違うということで、歯の長さ自体もわずかに削りました。スーパーボンドの性質上どうしても厚みが出たのでしょう。接着面に溝を掘っておけばよかったかもです。もっと薄くなる接着剤の方がよかったかもしれませんが、スーパーボンドは信頼できる接着剤なので、これでよかったことにします。これで取れてしまったら、舌側に穴を開けてピンを入れて補強します。


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