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August 2016

August 23, 2016

折れた歯を戻す その2

当団首席トランペット氏の折れた歯を戻した翌日、電話がかかってきました。トランペットを吹いている方で、旅行先で転んで前歯が折れてしまい、当院は初めてだけど診てもらいたいが、東京に戻るのが少し先なので、現地で応急処置を受けた方がよいかというご相談でした。おそらくどこの歯科医院を受診しても、折れた歯を戻すことはせず、仮の差し歯を作って入れるのではないかと思います。そうなると、もし戻せるような状態だったとしても、もう戻すことが出来なくなります。しかし楽しい旅行で前歯の無い状態というのは気の毒なので、ダメ元でアロンアルファで付けてみることを提案しました。

旅行後に来院されましたが、結局アロンアルファは試さなかったとのこと。歯が粉々になって戻せないと思ったのだそうです。見ると、粉々の破片は隣の歯(左上側切歯)のレジン充填が外れた物のようで、折れた左上中切歯は歯を戻すことができるようです。しかしながら、折れた歯はレジン充填によるツギハギ状態で、少々の2次カリエスがあります。普通ならクラウンにすべきとは思います。しかし2か月後にコンサート本番があるということもあり、とりあえず戻してみましょうということになりました。
破折面のカリエスを削り、そこに接着剤が入る隙間ができました。そこで、今回はスーパーボンドではなく、レジン充填剤(フロアブルレジンといって、強度はあるが流れがよく薄くできる)を使うことにしました。隣の歯は普通にレジン充填しました。
咬合調整も必要なく、ほぼ元通りに戻せたと思います。楽器持参ではなかったので試奏していませんが、多分大丈夫でしょう。

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August 22, 2016

折れた歯を戻す

前歯が折れてしまったら、私なら瞬間接着剤でくっつけてしまうと、2016.6.1の「前歯を再現する」でつぶやいた。正直言うと実際にアロンアルファでくっつけたことはない。状況によってはありだとは思うが、一般的にはあまりお勧めできる方法ではない。失活歯であれば通常ポストを立ててクラウンを被せる治療を行う。瞬間接着剤でつけるとしても、感染歯質が残っているか、その接着剤が人体に悪影響がないか・・・判断が必要だろう。しかし瞬間接着剤では接着剤の厚さが限りなく薄くなるので、ほぼ元の歯の位置に戻せるというのが大きなメリットと思う。私的に考えていた術式は、まず瞬間接着剤で戻したら、境目をぐるっとタービンで削ってレジンで埋め、舌側から穴を開けてピンで補強するとよいかなと。

とある休日、居酒屋でから揚げをつまみにハイボールを飲んでいるところに当団首席トランペット氏から電話がかかってきた。なんでもするめを噛んで歯が折れたとのこと。おお、それは一大事!(上記を試す絶好のチャンスではある)翌日来院いただくことになりました。折れた歯は右上中切歯で、マウスピースの当たる部位のほぼ中心に位置します(マウスピースが右にずれている)。昨年左上側切歯を抜歯して苦労し、何とか演奏が落ち着いてきていたのに・・・。

見ると折れた場所はちょうど歯肉縁のあたり。つまり考えていた術式は使えません。後で壊れないように一般的な治療法であるクラウンにするかとも考えましたが、側切歯1本変わるだけであれだけ苦労しているので、しばらく思うように吹けなくなることは確かでしょう。まずはそのまま接着して戻してみましょうということになりました。

問題はどうやって戻すかですが、虫歯ではない原因で失活歯となり、歯冠の歯質がほぼ残っていて、破折面はとてもきれいで虫歯もなく、きれいに戻ると思いました。しかしアロンアルファというわけにはいかないので、考えた挙句スーパーボンドという歯科用接着剤を使いました。最新の強力な歯科用接着剤と比べ軟らかく粘り気のある材料なので、むしろ衝撃に強く外れにくいのではないかと思いました。

かなりしっかり圧接したのですが、ほんの少々高くなって咬合調整が必要になり、吹いた感じが違うということで、歯の長さ自体もわずかに削りました。スーパーボンドの性質上どうしても厚みが出たのでしょう。接着面に溝を掘っておけばよかったかもです。もっと薄くなる接着剤の方がよかったかもしれませんが、スーパーボンドは信頼できる接着剤なので、これでよかったことにします。これで取れてしまったら、舌側に穴を開けてピンを入れて補強します。


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August 19, 2016

薄いリップガード その後

クラリネットのマウスガードについてこちらに書いたのですが、その後の話を書きたいと思います。

この方は、マウスピースが不安定なのは上の前歯が原因で、上の前歯を少々削って調整をし安定をするようになったのですが、下については紙を使っていたので、薄いマウスガードをお勧めし使ってみていただいたところ、音質が良くなりとても良い結果となったのでした。

その後、その状態でしばらく演奏していたのですが、上のバランスが取れたために、演奏時の下顎のずれが気になるようになったということです。つまり左下中切歯が少々前に出ているために左右非対称なのを直したい。
そこで、シートタイプのリップガードではなく、即時重合レジンでいわゆるアダプターを作りました。良い結果となりました。

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なお、その元ネタであるこちらの方は、結局1mm厚のリップガートを愛用しており、薄い方がなじむのだそうです。

歯並びに大きな問題がない場合や現在のアンブシュアを変えたくない場合はシートタイプがよいと思いますが、下の前歯の歯並びに左右差がある場合はレジン製のアダプターが効果があるかもしれません。


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