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January 2016

January 29, 2016

演奏会で履く靴

皆さんは演奏会本番の靴はどうしていますか?(女性限定。男性はあまり演奏には影響ないよね。)

少し前に、ホルンの持ち方を変えた、つまりベルを膝(正確には右腿)に置いていたのをやめ、右手で持つことにした話を書きました。
今まで右腿にベルを置くために、右脚を後方に開き、普段は右のかかとを浮かせて高さを調整しており、そのため演奏会本番では浮かせずに済むようヒールの高い銀座かねまつの靴を履いて吹いていました。
ベルを持つことで、腿の高さの影響がなくなったのですが、ある日のこと、両足ともちゃんと床に着けると吹きやすいことを発見しました。両足を左右対称にし、骨盤も左右均等に体重が乗るようにし足も体も顔も正面を向くようにすると調子がよいようなのです。ロングトーンもいつもより続くし音も外れない。

この半年ほど、テレビショッピングで購入したウォーキングシューズがとっても楽で、色違いで2足購入し、普段も診療中も履いておりまして、オケの練習もいつもこの靴でした。1足定価3万円超という有り得ない値段(実売半額以下)ですが、この靴だと足裏全体に荷重がかかるので、それがまたよいのでしょう。

さすがに健康サンダル的なこの靴(そもそも黒くない)で演奏会本番というわけにもいかず、考えました。足裏全体に荷重がかかるよう、全体に靴底があり、そこそこのヒールの高さで土踏まずもカバーされているパンプスをネットで見つけ、演奏会はこれで臨みました。歩くのは楽ちんなのですが、軽すぎて足の安定感が今一でした。やはりいつもの健康サンダルの黒いのを調達すべきでした!少々重さも必要だったのでしょう。

それでも本番が終わった翌日、いつもと違い全くノーダメージだったのです。全曲乗り番で高い音も低い音もそれなりに大きい音でたくさん吹いたはずなのに、です。元々唇にはダメージがない方なのですが、吹きすぎた後は頬に疲労感が残ったり、首や背中の筋肉痛が出たりしていましたが、今回それがなかったのであります。
やはり体をひねることなくまっすぐに構えて、それに合わせて楽器をもってくるというのがいかに大事かわかりました。そして、足の姿勢も重要だということです。おそらく体幹が安定するのだと思います。

(肩幅程度に足を広げて吹きましたが、足を揃えて吹くと体幹の筋肉が緊張して良い音がするような気もします。でも疲れる・・・後日要検証。)

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January 13, 2016

矯正治療後の安定について

矯正治療で歯列を治した後は「保定」といって後戻りを防止する装置を使い安定させるのが一般的な治療であります。保定の方法はいろいろありますが、固定式と着脱式のものがあり、およそ2年間保定装置を使うのが通法でしたが、最近は半永久的に固定するべきと言う専門家も多くなっているように思います。

管楽器の場合、固定式だと演奏に支障が出ることがあり、私は基本的には着脱式をお勧めしています。当院では薄いマウスピース型(歯列をシートで覆うタイプ)のリテーナーを使っていますが、違和感が少ないので皆さんよく使っていただいています。
固定式だとシラブルに影響が出たり、金管楽器だと少なからず息の流れが変わるでしょうし、歯に何らかの力がかかると固定した歯が塊で動いてしまう恐れもあるのではないかと想像しています。マウスピース型の装置だと、管楽器演奏で歯が動く力がかかってもマウスピースに歯を戻す力を持っているので安心です。また、管楽器奏者にとって歯ぎしり等で歯が咬耗して歯の形が変わっては困りますが、リテーナーがナイトガード的な役割も果たし予防できます。
ですので、当院では矯正治療後半年間は1日16時間前後、その後1年半は毎日夜のみ使用していただきます。2年経っていやじゃなければ就寝時のみ継続、毎日じゃなくても週数回でも使うと安心ですよとお話をしております。リテーナーをやめて5年10年経って少々の後戻りをしたとしても、数か月で治すことが出来るので、2年でやめて清々するのもよいと思うのですが、管楽器奏者の方は続ける方が多いです。

先日、当院で約10年前に治療したサックス奏者が来院されました。音大受験前に相談に来られ、合格してすぐに矯正治療を開始。矯正しながら音大生活を送りコンクールも受けていました。現在はアメリカに留学中で一時帰国でチェックに来られました。良く安定しているので写真を載せさせていただきます。矯正治療期間は1年11か月、小臼歯3本抜歯して(右上犬歯は先欠)表側のブラケットで治療しました。矯正終わって約8年経過しています。

矯正治療前
12 11 13
矯正治療後(矯正器具を外し保定開始)
22 21 23
現在(矯正治療終了8年後)
32 31 33

治療後8年経った今でも、長時間の演奏や、バリトンサックスを吹いた後などの歯に負担がかかったときは、歯が動きそうな感じがするということで、リテーナーを使用するのだそうです。大体週に1回程度とのこと。

シングルリード楽器(クラリネット、サックス)は、上の前歯が前方へ、舌の前歯が後方へ傾斜する力がかかるので、特に上顎前突の場合は後戻りをする可能性が考えられます。そういう認識をお持ちの歯科医も多いのか、楽器をやっているとどうせ後戻りをするから吹奏楽をやめてから矯正治療を始めなさいと言われたという高校生がいました。きちんと直せば管楽器を吹いたからといって後戻りはしないし、後戻りしたとすれば口呼吸など別の原因もあるのではないかというのが私の考えです。


※患者さんご本人の許可を得て掲載しています。

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January 12, 2016

薄いリップガード

少し前に、3mm厚のシートで作製したリップガードが有効だったクラリネット奏者の話を書きました。

今回は、このところ1mm厚のシートで作製した物が有効だった人が続いたので、紹介したいと思います。1mm厚のシートで作製すると出来上がりは0.5mmくらいになります。

アマチュアのクラリネット奏者の方で、マウスピースが不安定なため調整が難しい。マウスピースのパッチの左側だけ穴が開くので前歯の不揃いのためではないかということでした。楽器はほぼまっすぐです。
まず、咬合紙(咬んだ所に印がつく)を使って当る箇所を確認しながら左上の中切歯を削って調整し、安定するようになり音も変わったのが確認できたのですが、せっかくなので私の方から、マウスガードを試してみませんかとご提案しました。普段は紙を畳んで使用している方ですし、レントゲン↓でわかるように元々下顎をかなり開いて吹いているので、レジンで作製するタイプのアダプターでは厚すぎるのではないかと思ったからです。

少し前にプロのクラリネット奏者の方に、当院で通常作っているタイプのアダプターを作り、限界まで薄く削って調整して一応満足していただいたのですが、念のために複製が欲しいということで作製しお送りする際に(遠方にお住まいの方のため)、もしかしたら薄いほど良いかもしれないと、一緒に1mm厚のシートで作製したリップガードをお送りしたところ、好評だったのあります。顎位をあまり変えない方がよい人には極薄のリップガードは良いのかも、と考えるようになったわけです。

それで試したところ、明らかに音が良くなりました。音の響きが豊かになる感じ。紙との違いは歯との密着具合ではないかと思っております。

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※患者さんご本人の許可を得て掲載しています。


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