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December 07, 2015

矯正器具(ブラケット)の厚さ その2

前回、矯正器具の厚さについて書きましたが、普通に考えれば、小さくて薄い方が楽器を吹いていなくても患者さんにとっては良いのだから、なんでそんなことが記事になるのだろうと思うのではないでしょうか。残念ながら世の中の矯正器具は、もっと厚いし大きい物が多いのです。

一つには、小さく薄く作るのには技術が必要だということです。30年近く前、当時大学病院で使用していたブラケットはとても大きかった。一流メーカーの物であってもです。聞いたところでは、現在でも後進国で多く使われている装置は大きいらしいです。前回紹介した極小ブラケットはメタルなのにセラミック並みの値段です。
もう一つは治療の慣れです。昔使っていた装置に慣れているからそのまま使いたいだろうし、治療の効果を比較検討する上で、同じ装置で同じやり方であることにこだわる人もあるでしょう。単純に、小さい装置は大きい物に比べてコントロール(回転など)が難しくなります。それからブラケットにいろいろな機能を持たせようとするとどうしても厚く大きくなる。セルフライゲーションやフックなどがそうです。どう動かすかということを主眼に置くと、それなりの大きさになるということです。
でも一番は術者の使い勝手だと思います。小さいと処置が難しくなるのですよ。細かい作業がさらに細かくなるのです。装置を付けるときや、ワイヤーを通したり結紮をしたり、ベテランになって目が見えなくなってくると辛いんです。

でも安心してください、ルーペを使えば大丈夫。私は少し前からルーペを使用するようになって、自分も楽だし(肩こりが減った)能率も上がるし、治療の精度が上がるし接着剤のはみ出しもなくきれいにできるんです。慣れるとこんなに良いものかと思っております。実は愛用していたルーぺは、患者さんからのいただき物でして、管楽器を吹く方の前歯の調整をする際に使ってほしいと持参されたもので、歯科用でなく工作用なのですが、ほんと便利で十分に役立っていたのですが、少し前に歯科用の精密な物を購入しました。矯正歯科だと全体のバランスが重要なので、拡大して見るのはどうなんだろうかと興味はありつつも敬遠していたのですが、もっと早く買えばよかった!


世の中の唇側ブラケットで、患者さんが快適であることを一番にデザインされた物はあまりないと言ってよいでしょう。しかしながら、リンガルブラケットは、より薄く小さい物にしようとする方向にあります。少し前まで一番シェアの多かったリンガルブラケットは、厚くて大きかったので、一般的に歯肉炎になりやすく、中にはどうしても話しにくいので無理という患者さんが必ずあり、途中で治療中断もしくは装置変更というケースもあったようです。
小さいリンガルブラケットというとSTbブラケットが有名です。私も使っていましたが、本当に小さくて処置がとても大変でした。STbブラケットの厚さが1.5mmですが、既製品のため良い治療結果のためには個々のレジンベースが必要になりますので、結果として1.5mmよりも厚くなり、私はインコグニトの方が全体の厚さが十分に薄く(こちらも1.5mmでオーダーメイドなので歯に密着)、出っ張り部分の厚さや丸みのあるデザインは快適さの面でより優れていると思うので、管楽器の方にはリンガルブラケットはインコグニトを使っています。

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