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September 2015

September 09, 2015

リップガード

当院では、クラリネットやサックスの演奏用にアダプターを作る機会が多くあります。通常下の前歯の切縁を被う形で、演奏時のレントゲン写真等を参考にデザインは調整しています。もちろん、下の歯に口唇が当たって痛くなるのを防止しますが、それよりも演奏時の下顎の位置や楽器の向きを変え、口唇の振動を良くすることで効果があると考えています。最近だとこんな感じ。下の前歯が1本欠損して乳歯なのでそこが凹んでいるのを補い、楽な下顎の位置で演奏できることで、音質が良くなりアタックが明瞭になりました。

(本当は矯正治療を希望して来院したのですが、治療の目的が演奏向上なのと、今は大学オケを頑張りたいということだったので、まずはアダプターを試すことをお勧めしました。結果良かったので、矯正治療は大学卒業後に考えることになりました。)

1508285 歯並びの状態(奥で噛んでいます)

1508284 アダプターを入れたところ


少し前になりますが、当院でアダプターを作った方がありました。目的はクラリネット演奏時に口唇に前歯が当たって痛いのを解消することでしたが、下の前歯が経年的に全体的に磨り減っていましたので、あえて高さを持たせたアダプターを作成し、そのときは良い結果だと私は思っていたのです。1年後再来院したときには、そのアダプターは使うのをやめていました。磨り減った分高くしたため、演奏時の下顎の位置が、それまでと随分変わることになり、違和感が大きかったということでした。
それで彼はなぜ来院したかですが、その後、市販のリッププロテクター(楽器屋で販売されているお湯でやわらかくして自分で作れる下の前歯用カバー)を使っていたのだそうです。結果としては効果があったのだけど、納得いく物ができるまで何度も作り直しが必要だったのと、そうして出来たカバーも数ヶ月で破れてしまう(個人的な感想です)、ということで、歯科医院でちゃんと作りたいというご相談でした。
最近は木管楽器用のアダプターはほとんど先ほどの写真のようなタイプの物を作っていますが、昔はバイオスター(歯科用加圧形成器=薄いシートを加熱して模型に圧力をかけて圧接する)を使ったタイプの物も作ることがありました。
あまり下顎の位置を変えないために、最初は厚さ1mm*のシートで作製しました。吹き心地はよいが音質が硬い。次に厚さ3mm*のシートで作製したのですが、最初出来損った物(歯との密着が不十分で少々小さめ)を吹いてもらったところ、音質は良いのだけれど音が不明瞭。もう一度作り直したところ、芯のある良い音になりました。

*(出来上がりはそれよりも薄くなります)

1508281 市販のリッププロテクターで作製

1508282 1mm厚のシートで作製


1508283 3mm厚のシートで作製


きれいに出来て精密なので歯に密着しおそらく長持ちすると思うので、市販のリッププロテクターで物足りない方はご相談ください。状況に応じて最適な厚さ・大きさの物を作ることができます。

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