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September 2014

September 29, 2014

矯正治療後の歯の形態調整

管楽器を吹いている方が当院で矯正をする場合の特徴というかメリットの一つとして、治療中あるいは治療後に歯の形態修正により演奏に適応させられることがあります。
例えば、前歯に叢生がある人は、その歯並びに合わせて歯がすり減っているので、歯を並べていくと歯の切縁部分が不揃いになることがあります。その場合は、矯正治療中であっても、ある程度並んだ時点で、すり減った歯の修復をします。特にシングルリード楽器をやっている人の下顎前歯の切縁の形を整えることは、演奏にとても有効です。

先日、トランペット奏者の方の上顎前突の治療後に歯の長さを調整しました。
元々上顎前歯の傾斜が強い上顎前突でしたので、治療前はリムが上の前歯の唇側面に乗らずに吹いている状況でしたが、矯正治療により前歯の傾斜が改善し、今までにない吹き方をする必要が出てしまったため、適応するのに苦労されたと思います。
矯正治療が終わっても思うように吹けないということで、練習を本格的に再開してある程度アンブシュアが安定してきたら歯の調整をしましょうということにしていました。
矯正器具を外して4か月、演奏時のレントゲンを撮って、歯の長さおよび形態の調整をし、かなり楽に吹けるようになりました。

1409291 → 1409292

治療前の演奏時レントゲン          治療後(歯の調整前)
(コルネットで中音域でロングトーン)     

レントゲンを見るとわかるように、治療前は上下の前歯の隙間は水平的にあります。上顎前突の人でもうまく吹けている人というのは、私の経験では、こんな感じで上下の前歯をそろえることなく、前後的なギャップで隙間を作って吹いているようです。
治療後はリムを上の前歯の唇側面に当てられるようになりましたが、上下の前歯の隙間が狭くなっていることがわかります。だから、特に高音域で息が入らないためにうまく音が出ないという状態になってしまいました。
じゃあ、上下の歯をもっと開いて吹けばよいのに・・・と普通なら考えると思いますが、上下の歯を開くためには下顎を前下方に出す必要があります。単に開こうとすると下顎は後方に回転するからです。この方のようなガッシリしたアゴの形態の方は、下顎が前に出にくいのです。
じゃあどうするかですが、上下前歯を削りました。もちろんほんのちょっとです。切縁をまっすぐ整えた程度です。それに加えて削合面は少々傾斜させ、上の中切歯間の先の三角を付けました。三角を大きくすると歯を短くするのと同じ効果が得られます。これでずいぶん高音域が楽に出るようになったのが聞いても明らかでした。

それからもう一つアドヴァイスとして、ほんのちょっとでいいので顔を下向きにして吹くことを勧めました。レントゲンを見てもわかるくらい少々顔が上を向いています(いつもの顔の向きにして吹いてもらっています)。上顎前突で前歯の隙間を水平的にして吹いている人は顔に対して楽器(マウスピース)の向きが下向きになるため、体に対して顔が上向きになりがちなのです。
最近のブログにも書いたように、顔の向きが少々下向きの方が舌骨上筋群の緊張がなくなり、下顎が楽に前に出るのです。試してもらいましたが、それだけで楽な響きの良い音質になりました。

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September 14, 2014

高速リップトリル

私の得意技の一つに「高速リップトリル」があります。一発芸的なものです。

今から30年ほど前に今は亡き千葉先生に教わったかけ方を使っております。
方法は簡単、やろうとするトリルの2つの音の間の音を狙うのです。例えば、ドとレのトリルであれば、ドとレの指でド♯を吹こうとする。すると、口唇がドかレか迷ってトリルになってしまうのです。

一般的に、ゆっくりからだんだん速くして(4分音符~2連符~3連符~4連符)さらうとか、シラブルを使うと言われているのですが、6年前の草津のドールのクラスで、「トリルは口唇中央のアパチュアの辺りの狭い範囲で起きることなので、タララ~と速く始めて回数を増やしていく練習をするとよい」(みたいな感じのこと)を聞いたことがあり、千葉先生と同じようなことを言っているなと思ったのであります。

リップトリルが必要な状況など滅多にないので、別に困らないのですが、このリップトリルは口唇の柔軟性が必要なので、柔軟性をつける目的に時々やっております。しかしながらこのやり方は欠点があって、コントロール(速度や強さ)が難しいのと、調子が悪かったり口唇がバテるとかからないことがあり、高い音ほど確率が低くなるのです。
それが、この前のホルンキャンプでシラブル「も」使うことでコントロールすることを身に着けました。とはいえ、この高速リップトリルは調子よくないとできないので、バロメーターとして今後も時々練習しようと思います。

ちなみにもう一つの得意技は「焼きトン・焼き鳥の串の早抜き」です。自慢じゃないけどかなりの高速です。どちらもいつかyoutubeで披露したいです。

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September 08, 2014

望ましいアンブシュアの意識

先週から思うところあって、ファーカス教本のウォーミングアップに取り組んでおります。メトロノーム使ってさらうのが大事ですね。やったことある人はわかると思うのですが、音符の並びは簡単そうで、でもちゃんとやろうとすると難しいです。

今思えば、この1年くらい調子がいいと思っていたのは気のせいだったかもしれません。そういえば去年演奏しているところの写真を見て変なアンブシュアだと思ったし、最近に至っては低音のフォルテが出ない、息漏れがするといった症状が出ても、練習不足くらいにしか思っていませんでした。
ホームページの整理をしようと昔のブログ記事を読んで、やっと気が付きました。アンブシュアだと。2008年のブログで、下唇の使い方について書いているのですが、忘れていました。

ある意味その人にとっての自然なアンブシュアがあり、それが望ましいとは限らない。意識しないとある意味自然なアンブシュアになってしまう。自然なアンブシュアと望ましいアンブシュアの差を、練習方法と場合によっては道具(歯とか)によって埋める必要があるのではないかということです。その差は人によっていろいろで、ほとんどない人が天才なのかもしれません。

アンブシュア改造をしていた当時、下唇の下の左右にふくらみが大きくなった気がしていましたが、先週気が付いたときには、ふくらみがほとんどなくなっていました。たぶん、下唇下制筋が鍛えられるとできてくるふくらみじゃないかと思っているのですが・・・。
1週間ファーカス教本に取り組んでみて、だいぶ良い感じになってきましたが、毎回アップに時間がかかるのと、音域によりマウスピースの当たりを変える必要があるようです。私の思う望ましいアンブシュアにするためには、意識と練習と、本当は歯並びの改善が必要なのでしょう。私の場合、下の前歯の並びが直線的なのでもう少しRが小さい方が下唇を使いやすく、前歯の被蓋が少々大きいので浅い方が理想的なのであります。

でも、しばらくはこの自分の歯並びにつきあおうと思います。下唇の下のふくらみも少し復活してきたような気が・・・

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