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August 20, 2014

顎関節に負担のない吹き方

今日は、中学生の顎関節症の相談がありました。中学2年生ながらトランペット歴5年の彼女は、コンクール前の時期に1日6時間練習があったときに顎が痛くなって、総合病院の口腔外科を受診し、マウスピースを作ったということです。上顎歯列全体を覆う厚目な物で、担当医からは演奏時に着けるよう指示されたそうです。当然吹けないですよね、2回試みて着けるのをやめたそうです。コンクールも終わりしばらく楽器を吹いていない今は症状はないということですが、講師に勧められで受診されました。

管楽器演奏と関連のある顎関節症の多くは、演奏時の顎位に問題があります。ありがちなのは、下顎を前に出しすぎているか、もしくは左右にずれた状態。吹いたところを見るとそうではなさそうなので、演奏時のレントゲンを撮影しました。

通常、演奏時は上下の前歯がほぼ前後的に同じ位置にきます(正確には上の前歯が1mmほど前にくることが理想的)。彼女の場合歯並びは良いのですが、上下の前歯の前後的な差が5mmほどあり、下顎をほとんど前に出さずに吹いていることがわかりました。頭蓋骨の窪みに下顎の関節が入ったままでした。演奏に理想的な前歯の位置関係に持っていくには、下顎の関節は前下方に移動しますが、彼女は関節の位置をほぼ変えずに蝶番運動で下顎を開いている感じです。中音域での撮影ですので、高音域ではさらに顎が閉じられ楽器のプレスも加わり、下顎の関節が後ろに押込まれていることが予想されます。

そういえば、ホルンを始めたばかりの中学生の頃、先輩から「顎関節の辺りを触って窪みができる状態で吹く」ように指導されたことを思い出しました。先輩はおそらくどこかの講習会で聞いてきたんだと思います。彼女にも同じように顎関節を触ってみて窪みができることを確認してもらいました。

今は症状もないんだし、吹きすぎないでねというアドヴァイスで終わりにする手もあったのですが、口の中の狭い感じの音色をしていたので、せっかくなのでこれを機会に良い音が出せるようになればよいなと思います。顎関節に負担のない吹き方は、良い音を出す吹き方であるとも言えるかもしれません。

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