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June 2014

June 30, 2014

音程は宇宙から

現在新響は、飯守マエストロとワーグナー&ブルックナー。タダでさえ厳しいマエストロがさらに本気です。
一に音程、二に音程は毎度言われていることですが、飯守先生の格言のなかで、「音程は宇宙からいただく」というのがあります。私は、音程とは絶対的なものである、という解釈をしていたのですが、最近思うのは、音程は自分で作り出すものではなく、既に存在しているということなのかなあと思うのであります。

音程はざっくり言うと管の長さで決まるものですが、管体からの共鳴で口唇が振動し、その振動の回数が周波数すなわち音程となるわけです。管の長さが正確ならば正確な音程が出るというものでもないし、チューナー的に正確な音程を出したとしても、それが正解の音程とも限らない。その調整を、ホルンであれば右手とか他の金管ならスライドで行ったり、少々の口の絞め具合、息のスピードなどで調整をするわけです。それらを意識的に行うと、音質は悪くなるし何より遅い。でも不思議なことに、よく周りを聴くと自然に音程が合ってくる。それは上記のような調整を意識せずに反射で行っているのかもしれないが、もしかしたら楽器が周囲の音の響きを受け止めて、それが口唇に振動を伝えているのではないかなと。そうなると口唇が柔軟性があって反応がよいことが必要になる。順応しやすいアンブシュアであり奏法がよい音程には重要だと思うのであります。

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June 22, 2014

歯石除去後の息漏れ

隣り合った歯と歯肉の間の三角の部分を専門用語で「鼓形空隙」といい、通常「歯間乳頭」と呼ぶ三角の歯肉で埋まっているのですが、歯肉が下がるとその部分にスペースが出来て、黒く見えるので「ブラックトライアングル」とも呼ばれます。
歯石を貯めて歯石を取るとそこにスペースができるので、演奏に支障が出てしまうことがあります。それで気になって歯科医院で埋めてもらってしまう人がいます。最近2名ほど当院にそういう方が初診されました。
私の意見としては、わずかな鼓形空隙自体が原因となって息漏れを起こすとはないと思います。しかし長年たまった歯石を取った直後は舌感や息の流れもわずかに変わるので、気になったり調子が変わったりするのでしょう。それでおそらく嫌がったであろう歯科医を説き伏せて埋めてもらうのです。その2名も、鼓形空隙をレジン系接着剤で埋めてありました。これは人工的に歯石を付けて歯周病を促しているようなものです。絶対やめた方がよいです。

鼓形空隙のスペースが息漏れを起こしているのでないと言い切れるかどうか。私の経験では関係ないように思います。埋めて欲しいと言って来院される方は、大抵自分でティッシュやガムで空隙を埋めてみたら良くなったから、スペースが原因なのだと言います。そこで私は歯の厚さが変わらぬようにスペースだけ埋めると、何も変わらない。ねっ、関係ないでしょと納得してもらっています。

この前来たユーフォニウムの方はスペースはごく小さなものでした。他院で埋めた接着剤が取れた所から息漏れがして音色が悪くなるというのですが、試しにシリコンで埋めて吹いてもらったら、同じように息漏れがする。息漏れは歯の空隙関係なく上下の唇の被りが一部大きくなっていて、おそらくそれが原因と思われます。解決方法としては、演奏時の下顎の位置が横にズレているのを直すか下顎を前に出すか。もしくはそのための助けとなるアダプタを使ってみるかというところでしょうか。

スペースが大きい場合は、スペース自体は直接の原因にはならないけれど、歯周病が進むと歯肉・歯槽骨が減ってその分後退するので演奏の支障となることはあります。歯肉用のアダプタが効果があることもありますし、きちんとした修復処置等で狭くすることは可能なことがあるので、ご相談いただければと思います。
くれぐれも接着剤で埋めてもらうのはやめましょう!!!大事なのは日頃の歯のケアをきちんとすることです。心配だから歯石を取らないというのはもっとよくないです。

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