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February 14, 2012

金管演奏時の上下口唇の関係(1)

金管演奏時の口唇がどのように振動しているかご存知でしょうか?

以前九州芸術工科大学(現在の九州大学芸術工学部)の吉川教授の研究室のサイトで、ホルン演奏時の口唇の動きをスーパースローで撮影した映像(プロ奏者とアマチュア、高音と低音)を閲覧することができたので、ご覧になったことのある人も多いかと思います。2007年に出版された「音楽と楽器の音響測定(CD-ROM付き):コロナ社」に収録されたため現在は見ることはできません。興味のある人は本を購入してご覧いただくとよいのですが、1例だけyoutubeにアップされた映像があります。
http://www.youtube.com/watch?v=-DBurO6Xqeo

研究は「ホルン奏者の上唇を伝搬する波動の特性とそのモデル化」として発表されています。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003297860

上唇が独特の動きをしているのがわかるのですが、この動きがスムーズに起こるためには何が必要かということを考えると、上下口唇の被りがどうなっているかが重要ではないかと思うのです。まずは少なくとも上唇が前にあること。そして被りが小さく均一であること。大きければ上唇を動かすために余計なエネルギーがいるでしょうし、波動パターンも違ったものになるかもしれません。また、上唇自体の弾性が適度にあることも必要でしょう。
そうなると、そういう上下口唇の被りをするためには、自ずと筋肉のバランスが決まってくるのだと思うのです。何々筋をどうする〜〜といったことは、口唇をその状態にするための手段にすぎないのかもしれません。
例えば、私がアンブシュアを作る際に気をつけている多くのこと=上唇の上の筋肉はできるだけ緩め、口角の幅は安静時の幅にして引きも寄せもしない、下唇は歯列に密着するようにして縦の筋肉はしっかり使う・・・といったことは、口唇の被りを最適にするためのポイントの一つ一つでしかないのです。
口唇の被りを最適にしようとすることでアンブシュアの意識が単純になり、自ずと顎の位置も筋肉の使い方も決まってきます。

口唇の厚みはある程度は調節可能だし弾力があるのだから、少々凸凹や少々の出っ歯はさほど影響がないのです。理想的でない歯並びであってもその差が音色の個性を生み、場合によっては演奏のためには望ましいかもしれません。しかし、歯並びが原因で上下口唇の被りが一部逆になってしまうと、ドッペルトーンや息漏れといった雑音になるし、もしくはそれが起きないようにすると無駄な力が入ったりマウスピースを押しつけて音色が悪くなってしまう。それはいわゆる歯並びの悪さ(凸凹の程度)に比例して起こるわけではないので、その辺が「歯なんて関係ない」なのでしょう。

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