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October 09, 2011

下の前歯も歯の形

1年前に、藝大生に下顎前歯用アダプターを入れてとても良かったをしたのですが、その後半年以上たって、守山先生から「人工的な音を何とかしろ」と言われました。もちろんこの左写真のつるっとしたアダプターでも十分に良い音がしているのですが。とりあえず、表面に何かしようと思ったのですが、どうやってやるかいろいろ考えて、義歯用の人工歯を埋め込むか、表面にカービングするか・・・で、いい方法を思いつきました。1)元々の歯列模型に薄いシートを加熱圧接して歯の形のカバーを作る。2)アダプターを入れた状態の模型にヘビーのシリコン印象材で凹型を作る。3)シリコンの凹径の内側に1のカバーをトリミングして敷く。4)カバーの内面にレジンを盛り、歯列模型に圧接する。5)溝を少々はっきりさせて仕上げて調整。で出来た物が右の写真。リアルな出来でしょう〜。これにしたら周囲に「アダプターやめたの?」と聞かれたそうで、普通の歯にしか見えません。
それで、結果ですが、替えた途端に「音違う!」って感じでした。ドイツらしい音になりました。素人にはわからない程度の変化かもしれませんが。守山先生にも大好評でした。

音色は倍音構成で決まるわけですが、表面が平滑だとたぶんほとんど整数倍音になるのだけど、表面が本来の歯の形をしていれば、どんなに歯並びが良くても当然凹凸や溝や隙間があるわけで、それが非整数倍音を生み、その楽器らしい音色となるのではないかと思います。

私は、金管の上の前歯用の大きなアダプターはあまり勧めないようにしていました。それは人工的な音がするからです。入れるとしたら1本か2本用の歯の形に近いものを作ります。以前、他院で作った物を愛用しているホルン吹いてる学生さんの希望で、それと同じ物を(私としては不本意な)作ったことがありますが、何か普通じゃない音をしていました。そういう経験もあり、音色への影響は上唇の振動の仕方が大きいと考えていましたが、下の前歯もそれなりに影響するのだということがわかりました。守山先生は、下唇の方がプレスが強いから下の方が影響するのではとおっしゃってましたが、それでもたぶん、上の方が影響が大きいとは思います。

歯が平らならどんなにいいだろう〜とか、アダプターはつるっとしているから音色が良くなるんだと思っている人もあろうかと思いますが、そうじゃないんだな〜。結局は歯の形は歯の形をしている必要があるということです。

111009


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