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October 11, 2011

クラリネット用アダプタの効果

私はアダプタを入れたり歯の形態を変えて効果があっても、処置後のレントゲンはあまり撮っていないのですが、この前、典型的な効果が出たのでお願いしてレントゲンを撮らせてもらいましたので、アダプタ使用前後の比較をご紹介したいと思います。
前にクラリネット演奏で耳鳴りがするという人にアダプタを入れたを書きましたが、その人のご紹介で、特に演奏上困ったことがないけれど、アダプターを試したいと来院されました。
アダプターを入れたとたんに音色がよくなり効果がありました。アダプターを入れることで下唇を支える筋肉が少々内向きに寄るのがわかりました。写真じゃわかりにくいのが残念なのですが。イメージで言うと、口角を横に引く力と内に寄せる力が拮抗していたのが、下唇からの力が下の前歯歯列に向かって密着するようになった(通じるかな??)。最近の木管用アダプタですぐ効果が出る人の典型例です。
普通はマウスピースを上の左右1番(中切歯)で咬んでいるのが、この人は舌側に転位している左右の2番(側切歯)で咬んでいるのです。2番を削ることで1番で咬めるようにすることは可能かと思いましたが、レントゲンを見るとこれでバランスがとれているので、上はいじらずに、下の左右1番が舌側に傾斜している分を膨らませた形態で作成しました。

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使用前後の演奏時のレントゲンの重ね合わせは、このようになりました。アダプタを入れても、リードに当る部分(下の前歯の切縁あるいはアダプタの角)の位置は変わらずに、下顎の位置が変わっていることがわかります。
なぜ良い効果があったかですが、アダプターにより、リードに当る下唇の面積が広くなるから効果がある、と言う人がいるのですが、そうではなく、下顎の位置が変化して口唇の状態が変わるためではないかと私は思っています。下顎を前に出して吹くと硬質な音になりがちなのですが、アダプターで音色がよくなり楽に演奏できるようになることが多いです。
リードを深くくわえられる、リードを弱い力でくわえられる、口腔が広くなることでも音色が変化するのかなと考えていたのですが、それらはほとんど変化していません。やはり、金管同様演奏時の下顎の位置というのが重要なのですね。舌骨の位置は変わってないので、舌骨上筋群の影響もあるでしょう。
となると、アダプターがすべての人に有効というわけではなく、ケースに応じて使用するかどうか、デザインをどうするか考慮すべきです。

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※このところアダプター関係の投稿が続きますが、アダプターがよい・勧めるという話ではなく、アダプターの効果の経験から、演奏に望ましいアンブシュアや顎位、歯並びが見えてくるというお話であります。

※下の前歯のアダプターに歯の形を付与すると良いという話は、振動体が口唇である金管楽器に限った話であり、木管の場合はつるっとしていても音色に悪い影響はないと考えています。


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