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September 27, 2011

ポイントは舌骨か

さて、2010年8月に紹介したホルンのアダプタのその後のお話です。アダプター使用してない時と使用したときの重ね合わせをしてみました(中音域の実音C:高音、低音はいずれ)。
アダプターの厚みの分は、半分は下顎が後ろに行くために使われ、半分は前歯の代わりとなり前方にいっています。このため、上下口唇の被りが浅くなり、下顎が後下方にいき、結果、倍音が増えて音色がよくなったと考えます。音量が大きくなったのは、倍音が増えると大きく聞こえるようになるのと、口唇の被りが浅くなると発音効率がよくなると予想しています。

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前方に出ていた下顎が後方にいくとなぜ音色が変わるのか?ですが、ハッキリとはわからないので、下唇の無理な緊張がなくなると今のところ表現しているのですけど、おそらく、舌骨上筋群がリラックスするためなのではと想像しています(これは去年8月にも書いていますね)。
舌骨上筋群というのは、主に下顎骨を引下げて口を開いたり(舌骨固定)、舌骨を引上げて舌後方を持上げて嚥下等を行う(下顎骨固定)筋肉なのですが、これが引き延されて緊張することはあまり良くないことなのです。よく、咬合が原因で肩こりや頭痛になると言いますが、これは咬合の不具合で舌骨上筋群が緊張するために起こると言われているのです。下顎を前方(あるいは側方)へ出すとどうなるかというと、
1)舌骨上筋群が引っ張られ緊張し、それに付随して下唇周囲の筋肉が過剰に緊張する。
2)舌骨の移動により頸椎が偏位して首やその周囲の筋肉に緊張する。
3)舌骨上筋群が緊張することで、舌骨が自由に上下に動きにくくなり舌後方のコントロールが難しくなる。
のではないかと想像しています。

金管は音域によって、歯の開きを変えて(高音では狭く、低音では広く)いるわけだけど、単純にそれだけではなく、特に下唇の緊張具合や厚さを変化させているのだけど、それがどういうことなのかずっと考えていました。下唇下制筋とオトガイ筋で調節をしていると思っていたけど、どうもそれだけじゃない。よくシラブルというか、舌後方を音域によって上下させるわけですが、それは単に口腔内の広さとか絞りを変えて息のスピードをコントロールしているだけでなく、舌骨の位置を変えて下唇の状態を自動的に変えているということなのだと思います。下顎を前に出さないことで舌骨が自由になるというということです。
若いときは、少々上顎前突で顎を出して吹いていても筋肉に柔軟性があるから十分に吹けるけど、年を取ると、単に顎関節がどうのではなくその辺の柔軟性が減少して、同じ吹き方では思うように吹けなくなるということなのかもしれません。
舌の位置が大切とよくいいますけど、そういうことなのですね。

下の重ね合わせはまた別の藝大生のレントゲン。音域により舌骨が上下しているのがよくわかりますね。下の前方部分の高さは、音の高さによって変わる(高音は上、低音は下)のですが、舌後方はむしろ低音で上に上がっているのがわかります。低音で舌前方を下げるためには後方を上げる必要があるということだと思います。

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