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June 21, 2011

予告編

うゎ〜8ヶ月も更新してませんでした。その間も普通に診療してホルン吹いております。管楽器の方の治療でもいろいろな体験がありました。忘れないようにとmixiの日記には付けているのですが、こちらにも書いて行きたいと思います。

大震災の影響でとある学会の講演を引受けることになりました。震災の影響というのは、元々他の先生が予定されていたが被災されて出来なくなったからということみたいです。主催者側は、管楽器の演奏で不正咬合が引き起こされる〜という話を期待しているようなのですが、私はそうは思っていないので、今何を話すか考えているところなのですが、期待される内容から離れるかもしれません。
管楽器演奏で歯列/咬合(歯および顔面骨格)が影響を受けるという報告は昔からいくつかされています。金管楽器では前歯が舌側(内側)に入り叢生になるとか、シングルリード楽器では上の前歯が唇側(外側)に傾斜したり顔面高が大きくなるとか、といった結果が多いようです。だからII級1類(歯が出ている上顎前突)の人は金管楽器を吹くべきだとか(前歯が引っ込む)、反対咬合の人はクラリネットを吹くと良い(上の前歯が出る)と歯科医の立場として論文に書く人もいます。
私としては???です。多くの研究は、各楽器を演奏している人のレントゲンや模型を分析し、標準値あるいは対照群と比較するわけですが、その数値の差も、これは標準範囲内だろうくらいの違いですので、管楽器を吹くと不正咬合になるということにはならないのではないかと。たとえ1日5時間演奏しているといっても、そのうち実際に音を出している時間はその一部であり、歯に力がかかるような高音域・大音量となればさらに短く、それくらいで正常な歯が動くものかと。
それから不正咬合を是正するために楽器を選ぶというのも、なんだかな〜〜。自分の好きな楽器、やりたい楽器を選べば良いじゃないか。もし歯列/咬合に問題があるのであれば、それが演奏に不利にならない楽器にするというのならわかるけど、II級1類にトランペットを勧めるのは逆じゃないかと思います。
私の経験では、どの楽器も普通の歯列/咬合であることが大切。叢生(凸凹)はさほど関係ないのです。でも上下のバランスが取れていて、前歯の被蓋(オーバージェット、オーバーバイト)が1〜2mmであると有利だと言えます。そうじゃなくてもそれなりに吹けるけど、その方が楽に上達出来るしより上を目指せる=理想的な奏法になりやすいということかと思います。
どうしてか・・・歯と口唇と楽器の良い位置関係=演奏に良い(筋肉に無理な力が入らない)顎位になるから。結局、良い音というのはその楽器らしい音、つまり普通の(=標準的な;あえて言えばヨーロッパ人の)歯、歯列、咬合の人が吹く音が良い音ということなんだと思います。そういう話を今までの経験からしようかなと。

というわけで、しばらくは頻繁に更新したいと思います。

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