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May 2010

May 26, 2010

口唇振動の反応

だいぶ前になりますが、ポピュラー系のプロのトランペット奏者が来院しました。中音域(五線のちょっと下くらい)のアタックが汚いというご相談でした。歯の状態は(写真左)20年くらい前から、演奏に良いようにとブリッジ入れたりレジン盛ったり自分でヤスリをかけたりいろいろしたようです。ご本人は上の側切歯が出ていることが原因だと考えているそうで、いろいろ歯の形を変えるのに応じてくれているかかりつけの医院で、これ以上中に入れるには歯の神経を取らないと出来ないと言われ、当院に来院ということです。

歯の形は高音域には結構直接影響があるですが、中低音は基本アンブシュアの問題があることが多いように思います。アタックが汚いのは、口唇に力がはいって振動し始めるまでの反応が悪いためではないか〜と考えているので、中切歯の形態の影響で口を横に引くようになった可能性があり、歯の形を整えることでよくなるかもしれないと思いまして歯の形を調整しました(写真右)。

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いろいろ調整はしましたが、結果として良くなり(横に引いて力の入った感じが改善しました)、ご本人の一番の問題であった中音域の口唇のアタックも良くなりました。
どうして良くなったかですが、歯を少々長くし、上の中切歯間の三角の隙間を削りすぎていたのをほどほどの隙間にしたことで、無理な力が抜けて良いアンブシュアになった〜というのも確かにあるとは思うのですが、どうもそれだけではないようです。調整の途中、中音域の反応が良くなったり悪くなったりしたのですが、中切歯の切端部の厚さに関係があるようでした。つまり、歯の先が前にあれば口唇までの距離が短くなって反応が良くなり、アタックがきれいになる〜ということではないかと。この人の前歯は元々歯の先端部が内側に入っている(唇側面が少々丸くなっている)ので、それを解消することで効果があったのではないか、と考えました。

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その頃自分でホルン吹いていて、下唇の厚みを意識してアンブシュアを作っていたのですが、どうも低音域の反応が悪いような気がしまして、低音域で下唇を厚くしすぎてるのか〜と思い、それなりに下顎を出して吹こう、というかあまりそういったことは意識しないにしようと思ったのでした。
ということで、歯の先(切端部)と口唇までの距離がアタックに関連しているのではないかというお話でした。

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