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November 2009

November 13, 2009

前歯はほどほどに長い方がよいです

続きまして、やはり歯を長くしたケースを紹介します。
開咬ではないのだけれど、自分で前歯を削ったために、下顎を前に出した時に前歯で噛めなくなったという人です。

トランペットを吹いていて、当サイトにも何度か登場しているトランペット中川さんの紹介で中川さんと一緒に来院されました。
1年前に上の前歯(左右1番)を自分で削り、最近は下の前歯の高さが不揃いを近くの歯科医院で相談したら、長くすることはできないということで、長い歯(右下1番)を削ったということでした。結果、息が入りすぎる感じ・息が止まらない感じがするということでした。また、右の上下1番で切端位をとれたのが下の歯を削ったらできなくなったということでした。

私は上の前歯を元に戻すような形で長くすることがよいと言ったのですが、同伴の中川さんに大反対され、この日はやめました。
写真を見てわかるように切端位をとろうとすると、犬歯が当たって中切歯が当たらない状態なのだが、それよりも歯の開きに左右差があり、これを改善すると随分吹きやすくなると考え、左下の前歯(1番2番)を長くすることにしました。下の前歯の切端は咬合時に上の歯と当たるので、単純に長くすることは出来ないのだけど、少々内側にもレジンを盛って厚くすることで長くすることが出来ました。が、微妙に切端位で当たらず、これ以上は上の方を長くしないと難しい感じでした。私はやりたくなかったのだけど、中川さんに奥を削って前歯が当たるようにしてくれと言われ、ホンノ少々下の犬歯を咬合に影響のない範囲で削りました。
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中川さんはセットポジション=切端位でちゃんと前歯が当たることを大切にしておられます。ご自身も昔前歯を短くして切端位がとれなくなったので歯科医院に頼んで奥歯を削ってもらったのだそうです。普通奥歯を削って前歯の被蓋を深くすることは歯科的には御法度です。
上の前歯は短い方がいいというのが持論ということもあるのでしょう、せっかく前歯を削って奏法を変えたところなので変えるべきではないというご意見でした。

それから3ヶ月して今度は一人で来院されました。息が入りすぎる感じが改善しないということでした。私は上の前歯を長くすることを提案し、とりあえずやってみましょうということになりました。下の写真は長くした後です、この方が自然な歯並びです。
長くする前は、音質は間の抜けたボーっとした感じでアンブシュアも「む」っと下唇に力が入っていましたが、長くして音に張りが出てアンブシュアもいい感じになりました。息が入りすぎる感じも解消したということでした。
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1回目に上も長くしていたらわけわからなくなっていたと思うので、結果的に良かったのではないかと思います。
自分でヤスリで歯を削る前に、当院にご相談ください>皆様


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November 11, 2009

開咬

不正咬合の種類の中で「開咬(かいこう)」といって、奥歯で噛んだときに前歯が開く(上下の被りがない)状態のものがあるのだけど、管楽器関係の相談で開咬を主訴とするものは少ない。当院でも2回くらいしかない。開咬なのだけど気にしているのは別の部分ということはあるけど。
開咬は機能的な原因で起こることが多く、もしかしたら管楽器を始めても上達せずにやめてしまうことが多いので開咬の管楽器奏者自体少ないのではないかとも思うが、開咬でも上級者がまれにいてそういうケースは原因は解消したけど開咬が残っているのだと思う。
また、管楽器演奏時はどの楽器も前歯は開いているので、開咬自体が演奏に影響を及ぼすことが少ないということもあるのでしょう。

写真の患者さんはホルンを吹いていて、下の前歯が痛くなる/スタミナ不足を主訴に来院。演奏時のレントゲンを見ると、中音域でも奥歯をほとんど開かずに吹いていることがわかる。高音域で歯の開きをこれ以上閉じることも出来ないでしょう。どっちかというと八重歯の方を気にしていたのだけど、多分前歯を長くした方がよいかと思い(本当は矯正して直しちゃった方がよいのだけど)一番上がっている左上の中切歯の先を1mm程レジンで長くしました。すると、それまで口唇より上の筋肉が過剰に緊張し口角の無駄な動きが大きかったのが、随分解消しました。楽に吹けるようになったようです。もっと前歯の被りが改善した方がいいのでしょうけど、急に変わっても吹けなくなるだろうから、とりあえずはこのくらいで。
普通は歯を開いて=下顎を開いて演奏するのであって、その筋肉バランスで吹くようにできているのが、この人の場合は下顎を閉じないと吹けない。上唇を上に上げていたのが歯が長くなったことで上唇を下げることができ、下顎も少々開けるようになったのだと思う。

ということで、開咬も実は金管楽器にとってマイナス要素になることもあるようです。

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