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October 17, 2008

歯周病で歯茎が下がったら

少し前の話になるのですが、70歳にして現役のアマチュアオケマンのトロンボーン吹きが来院されました。数年前に前歯をぶつけたら1本前に出てしまい、唇に傷が付いてしまうというお話でした。
口の中は虫歯や歯周病で全体的に大変な状態になっていて、きちんと歯科治療を受ける必要があります。その出てきたという1本は接着剤で固定してありましたが大きな問題ではなく、おそらく元々上顎前突なのに加えて、臼歯部の歯が欠損しているのと歯周病のためにさらに上の前歯が前突してしまったと予想されます。
演奏時のレントゲンを確認すると下顎を前方に出し上下の前歯をほぼ揃えて吹いているようでした。
歯医者に全く行っていなかったわけでなくかかりつけの歯科医院もあったようなのですが、ご本人が吹けなくなると困ると主張されたようです。未治療のまま長い期間が経過し、さすがに直さなくちゃと思われたのでしょう、某大学病院にいる管楽器経験者を紹介してもらい、ようやく虫歯の治療を始めたはいいけど、大学病院でなかなか治療が進まないということでした。
気持ちはわかるのですが、そうなる前に是非きちんと歯科治療を受けて欲しかった。通いやすく親身になってくれるところであれば別に管楽器奏者の歯科医師である必要はないのです。それを自分の歯を大事にするあまりに、こんなことになっちゃたのでしょう。

そこで、下記の提案をし実行しました。
1)挺出している左上2番3番を短く削り周囲とバランスをとる。
-->中音域の雑音が解消し音の抜けが良くなった。
2)上顎前歯部の歯肉&歯槽骨が退縮した分を埋める。
-->アンブシュアの無駄な動きが減り自然に吹けるようになった。
3)下顎前歯のアダプターをためしてみる。
-->音質がよくなり結構吹けるので私は使うべきと思うが、ご本人はダメみたい。
4)根の治療中で歯冠の欠損した左下3番にアダプターを入れる。
-->下唇の支えができて高音域が楽になった。

「歯肉&歯槽骨の退縮を埋める」に関してですが、よく歯周病になって歯茎が下がると歯と歯の間に隙間ができてそこから息漏れがしてしまうと思っている人が多いんですけど、私はたぶん違うと思うのです。隙間を埋めると良くなると聞きますが、隙間が埋まり空気が抜けなくなるのではなく、厚みが変わり(=本来に戻り)上唇が密着しやすくなるからなのだと思います。
どうやって埋めるかですが、まずヘビータイプのシリコン印象剤を使ってみるのがお勧めです。薄く作れるしいろいろ試して丁度いい厚さを探すことができる。それで効果があればレジンで長く使えるものを作ればいいと思います。ある程度弾力が必要なので、私はマルチガードという少々軟らかいレジンで作製してます。

※そのうち写真を載せるようにしたいと思います。

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Comments

blog 復活に気づきました。
ときどきおじゃましますので、「草津レッスン話」など、またご提供くださ〜い。

ところで、「70過ぎても現役」って理想ですね。私なぞ、田舎のアマオケで70過ぎてもホルンでトップを張り続けるように目指したいと思ってますし、80過ぎてもオケプレーヤーでいたいと思ってますが、存在自体が他人の迷惑にならんようにしないと.........  A^_^;)

Posted by: ☆oki | October 17, 2008 11:29 PM

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