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February 21, 2008

キレイに治療されても

土曜日は定期的に通院してくる矯正治療の患者さんのために時間を使わなければいけないので、管楽器関係のご相談はなるべくご遠慮いただいていますが、この前の土曜は青森からトランペット1名どうしてもというので治療しました。
彼が来るのは4回目。1回目は前歯の叢生についてアダプターの相談で模型をとってあったからよかった。2回目は青森で前歯の治療をしたら調子が悪くなったというのですが、元々上の中切歯2本を治療してあって少々アンバランスだったのを、歯科医が良かれと思ってきれいにしたものだから、中切歯の中央の位置が変わってしまったんですね。模型を参考に手直ししました。3回目はその歯の表面をつるっとしたいと青森で一層レジンを持ってもらったようなのですが、段差が気になると来ました。少々削って磨いて納得してもらいました。と同時に上の小臼歯の頬側咬頭をわざわざレジンで形態を回復したら不調になったということで、削って解決しました。
それで4回目のこの日は中切歯に詰めたレジンがかけたとのこと(私が詰めたところではないです)。青森で治療しては直しに来ることになるので、今回は最初からウチに来たようです。残っているレジンを一部削って詰めなおすことにし、とりあえずかけた所を少々整えた時点で吹いてもらいましたが、音がやわらかめで本人NG。レジンを盛って普通の歯の形にして吹いてもらうと随分音質違いますね、張りとつやが出ました。思ったより手間がかからなくて良かったです。

上の前歯の形態と金管楽器の音質の関係はアンブシュアとの兼ね合いがあるので簡単に説明ができないのですけど、音質に関係がある要素の一つが「歯の角の形(切縁隅角)」です。ここが何らかの原因でかけているのを本来の形に戻すだけで音質が変わります。具体的には、この隅角が角に近いほど圧力の効いたハリのある音になり、丸くなるほど柔らかめのポアっという感じになります。上の中切歯だけでなく側切歯も結構影響があります。特に困ってなければ、音質を変えるために歯を削ったりレジン盛ったりすることを勧めませんが、歯がかけて放ってあるとか治療したけど不自然な形とかであれば、調整をしてみるといいかもしれません。

もう一点、上の小臼歯の頬側咬頭が何に関係あるかです。ご本人がいうには治療されてから音程が上ずるようになったということ。元々の歯並びがその歯一本下に伸びていて(歯科用語でいう高位)それが噛んでいるうちに削れて他の歯と高さが合っていたのですね。それを歯軋りで歯が削れてしまっているとその歯医者さんは本来の歯の形に戻したわけです。削れるべくして削れたのだから、私には何でそんな治療をする必要があったのか理解できませんが、それは置いておいて。上の小臼歯が下に伸びるとアンブシュアの口角の位置が下がるんでしょう。それで普段と違う力がかかって音が微妙に上がったんじゃないかと思います。小臼歯の上下的な位置というのは結構アンブシュアに影響がでるのですね。

その土曜日ですが、診療室で自由にトランペット吹いてもらいましたけど、いいんです。隣のユニットの患者さんはチューバを吹いている青年、待合室はトランペット工場にお勤めの方なもので(いずれも矯正治療中)。

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