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February 22, 2008

ドッペルの出る歯並び

この前関西から「ドッペルが出る」を主訴にトロンボーン専攻の学生さんが来ました。
ドッペルについては2004年の「たわごと」で、「犬歯が極端に前方に出ていると、アパチュアと口角の間の口唇が前方に出て浮いてしまいアパチュアが余計にできてしまうのが原因ではないか」と書きました。その学生さんはその記事を読んでなかったということですが、自分で下の犬歯が前方に飛び出ているのが原因と分析していました。
私の経験では上の歯並びが原因のケースばかりでしたが、彼の場合は明らかにリムの外は下唇が前に出て上唇に被さっています。通常金管楽器の演奏時は上唇が被さるのがまれに受け口でなくとも下唇が被さる人があり(「下唇を出して吹く人」)、口唇の被さりを逆にして吹く人は口角を大頬骨筋でコントロールするのが特徴で彼もそうなってたし、それで被さりが逆なので下の歯並びが影響して同じことが起きたと私は考えたのです。
2004年にも書いているのですが、出ている犬歯に関しては矯正でもしないと改善は難しいと説明した上で、アダプターを試してみることにし下の前歯部分に厚みを出して犬歯との位置関係を整えたのです。結果は少々ドッペルは減ったけどさほどよくなりませんでした。

彼は2年前から他の歯科医院に通っていたのだけど全く効果がなかったのだそうです。1つの歯科では片側上下臼歯部のアダプター。たぶん「吹き溜まり」(?)を防いで何とかしようとしたのでしょう。両側に臼歯部のアダプターを入れると口角間の距離が広がり口唇の緩みが減少するので多少の効果は見込めるとは思いましたが、根本的な解決にならないので私は試しませんでした。もう1つの歯科では上下の側切歯の凹みにアダプターを入れて上下前歯の並びをそれぞれつるっとさせてみたようでした。まああまり効果ないでしょうね。その後「キャビトン」という歯科治療で使う仮封剤を瓶ごと渡され自分で詰める様に指示されたそうですが、口の中でボロボロしてあまりいい感じはしなかったそうです(でしょうねえ)。

結局出ているものを下げることはアダプターにはできないけど、それでも私の試作品はもうちょっと効果あるかなと思ったんですよ。なので原因をよーく考えてみました。
おそらく全体的に上唇に下唇が被っているという前提が間違っていたのでしょう。演奏時のレントゲンでは上の前歯のほうが前方ですが、下唇の厚みのせいで逆になると思ってしまいました。リムの中の上下唇は正常で上唇が被っているけどその脇は逆転して下唇が被っているのでしょう(唇が3つある感じ)。
それでも下の前歯部分の厚みをつければ下顎を後方にしてアンブシュアを作れるので相対的に下の犬歯が下がるとも思ったのですが、あまり下顎の位置は変わらなかったかもですね。かといって下の前歯にもっと厚みをつけて全体的に下唇が被るようにすると全然吹けなくなるでしょうし。

さっそく自分用に彼と同じように下の犬歯を4mm程突出させたアダプターを作りトロンボーン用リムでバズイングしてみる。私は普通に吹けるけど、下唇を緩めるとリムの両脇にアパチュアが出来て3つ音をさせることができた。
アンブシュア的には下唇を中央に寄せる感じにして下唇の下の筋肉をしっかり使えるようにするのが解決策だろうし、もしかしたら楽器を下向きにして下顎を後ろにして吹くようにすれば少しはよくなるかもしれない。しかし4年間いろいろやってきて今更アンブシュアを直せというのもねえ。小臼歯を抜歯して矯正して下唇を下げるのが本人納得できる唯一の手段かもしれません。

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