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January 2007

January 31, 2007

紹介してと言われても

来院を前提としない電話での相談や問い合せは正直勘弁して欲しいです。私は公共の相談所じゃありません。
電話で状況を説明されてすぐその場で答えても、十分じゃなかったり後でこう言えば良かったなと思っても、相手の名前や連絡先がわからなかったりして、責任を持てないということであります。だから基本は直接来院してもらいたいです。来院された方には相談だけであってもちゃんと親切に対応してます。
それでもまだ、私に相談事という電話なら理解できるのですが、最初から「管楽器をやっているが虫歯の治療をしてもらえる歯科医院を紹介して」といった電話が最近多いです。知合いでも何でもないのにです。そちらでこういう治療や相談は受け付けていますか?と聞くのが普通じゃないでしょうか。例えば、何の面識もない○○科の病院に電話して、そちらに行く気はないので他の○○科の病院を紹介して下さい、なんてあなた聞きますかってことです。
それに他院を紹介するのって、例えば近所の人が来て虫歯の治療と言われてどこか紹介するにも、気を使うのですよ。私の口から、どこが上手いとか、どこが良いなんて言えないでしょう。だから、あなたの住所ですと、こことこことここが近いですから、その中の都合の良い所に行かれてはどうですか?と答えるようにしてます。保健所だって特定の所を紹介しないようにしてますよ。
それに、電話で聞いただけで状態も確認せずに紹介するなんて無責任なことはできません。状況に応じて適切な所に紹介するというものです。それに普通「紹介状」は有料なのですよ。私の所の患者さんからはお金いただいてませんけど。健康保険では電話で相談を受けたときの再診料や紹介状書いたときの「情報提供料」300点(=3000円)が認められているのです。

メールで相談を受けたりしてますけど、メールと電話では違うのです。電話は相手の都合でこちらが何をしていても出ることになりますが、メールであればこちらの都合に合わせて対応が出来ます。こちらもこういうことがあるんだと勉強にもなるしHPで公開して皆さんの役に立つこともあるし。
また、以前は「管楽器奏者の歯科医」を掲載していましたけど、いろいろ考えてしばらくはそれはやめることにしました。歯科医自身が管楽器をやっていればいいというものではないし、私としても相手のことがよくわからないのに紹介はできないなあと思うのです。自分でも30年もホルン吹いていてそれなりに本格的にやっていたつもりだったけど、最近になってわかったことがたくさんあって、楽器をやっているだけではわからないよなとつくづく思うのです。
大抵の歯科治療は、それがごく一般的な処置であれば、管楽器演奏に悪い影響をあたえることはほとんどありません。だから、必ずしも管楽器に詳しい歯医者にかかる必要はないのです。まずは近所の歯医者さんで相談しましょう。自分にあう親身になって治療してくれるかかりつけの歯医者を見つけ、定期的にみてもらうことが一番大切だと思います。

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January 25, 2007

オーケストラのフルート

この前聞いた話によると、オーケストラの弦楽器がヴィブラートをかけるようになったのはだいぶ新しいことで、マーラーの時代でさえノンヴィブラートだったそうである。最近は古楽器奏法のオーケストラが流行っているが、マーラーをノンヴィブラートというのは想像がつかない。奏法の変化は、単なる流行のためだけではなく、演奏会場の大きさの変化に伴い大音量と音質を際立たせる必要になり、楽器が発達しヴィブラートも普通にかけるようになったのだということ。
管楽器も同様に性能も上がり奏法も変化しているだろう。フルートに関しては、いわゆるドイツメソッド(=トーンホールに対して息の方向が水平に近い)のように大音量で太い音質への傾向が強くなっているようである。(05.2.22の記事を参照。)
この前いらしたフルートの患者さんは、アンブシュアが安定しないのは歯並びが原因ではないかと思ったら気になって、留学先から急遽やってきた。日本でプロオーケストラの席を得たということは本来相当の腕の持ち主と思うが、どうも確信のない音をしていた。本人は下の前歯の並び(1本が外に出ている)のために楽器が安定しないと考えていたが、見るとそうではないようだった。意識して息の方向を水平にしようと無理に下顎を前方に出しているため顎位が不安定になっているのが一番の原因と考えられた。軽い上顎前突で上の前歯が下に伸びているので、なおさら下顎を前に出さないと息が水平にならないのだ。
そこで、まずはアダプターで下の前歯の歯列を整えるとともに前方に出し、上の前歯を削ることを提案した。アダプターを試作して入れると楽にはなるが聞いた音にあまり変化はなかったが、上の前歯を削り整えると音は激変した。削ったあとにアダプターを試してみたが、アパチュアの形が広がっていたのがまとまり、吹いているうちに右にかなりずれていたのがだんだん真ん中に寄ってきて、変化するようであった。下顎を前に出し過ぎるのが習慣になっているようなので、安定するのにはもう少し練習が必要かもしれない。
少し前の話であるが、息の方向を下向きにしたいという相談メールが来た。大人になってからフルートを始めた方で、それでも熱心にフルート教室に通っている。自分の音質が気に入らないが、それが噛み合せが原因(おそらく軽い反対咬合)だというのだ。教室の先生には音が硬い、柔らかな音を出すには口唇の柔らかい所を使うよう指導されるということ。その先生がどこまで理解して指導しているかはわからないが、どういう原理で音が出るかを考えれば、アパチュア周囲の口唇の質が音に直接は影響しないはずだ。おそらく日本ではいわゆるフレンチメソッド(=トーンホールに対して息の方向が斜め下に入る)の教育を受けているフルート奏者が多いと思うが、柔らかい所を使う=上唇の被りが大きくなり息の方向が下向きになるということである。だからといって、息が水平になるから音が硬くなることは決してない。一般的にフルートにおいて硬い音質というのは倍音が多いのだそうである。つまりアパチュアがコントロールできずにトーンホールに入る息が定まらない(いろいろな方向の息が入る)ためであろう。

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