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October 03, 2006

前歯の裏側の斜面

0610031少し前にアダプターを入れたトロンボーンの患者さん、中低音が出なくなったことが主訴でその原因は自分では練習のし過ぎで歯が動いたため(下の前歯の叢生)と考えての来院だった。歯が動いたとは考えにくい(最近楽器のせいで急に歯が動いたと訴える患者さんが多いのだが、そんなことはそう簡単に起こらないのである・・・これについてはまた別の記事で書きます)。上顎前突のために低音で下の前歯を前に十分出すことができないことが原因と考えられる。聞くと、中低音が出なくなったのはそれまで上唇に当てて吹いていたのを上下とも力がかかるようにして吹くようになってからとのこと。そこで写真のように上下の前歯にアダプターを入れ、楽に下顎を閉じたときに上下の前歯がそろうようにした。その時はあまりにも変化したので調整のしようがなく、とりあえずそれでしばらく練習してもらうことにし、この前10日後に調整にいらした。
上顎について、1本の中切歯が低位(上にあること)で、その隣の側切歯が舌側転位(内側にあること)なので、この2本に対しアダプターを入れた。中切歯を1mm程伸ばし、しかも側切歯を外側に出す形。側切歯の切縁の高さに揃えたので図の斜線部のように切縁はほぼ水平となった。
06100310日間練習して中低音は出るようになったが、高音が出なくてFから上が音にならない。まず下のアダプターの上面を削合してみたのだが、少々良くなったけどだめでむしろ上のアダプターを外した方がまだまし。ということは、問題は上のアダプター。そこで側切歯の切縁の頭が出ても構わないので、切縁から内側に斜面を作った(図の赤い部分)。すると激変し高音域が楽にいい音で出るようになったのである。

金管楽器において、どうも切縁部の斜面は少なからず影響があるようなのだが、舌側面全体としての斜面も必要なようだ。おそらく、高音域における息の方向との関係ではないかと思う。

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