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November 14, 2005

長くしたのだ

さて、実験は続く。

昨日は患者さんのキャンセルで時間ができたので、例の件を実行に移した。問題は、自分で自分の歯をどうするかである。表側であればある程度のことはできるのであるが、さすがに裏側や細かい作業は無理である。そこで試行錯誤の末の方法は、模型上にワックスアップして印象採って複模型を作り透明で柔らかめのシートを用いてバイオスター(加圧形成器)でカバーのような物を作りそこに光で固まるレジンを注入して口に圧接し固め外してバリを削りスーパーボンド(歯科用接着剤)でくっつけた。
1週間後にはマエストロの初練習であるので、あまり下手なことをするわけにいかず、とりあえず3日くらいで外せるようにしたかった。中切歯は盛り足す量がまあまああるので上記の方法でうまくいったが、2番3番はほんのちょっとなので圧接する時やスーパーボンドのバリを取るときに壊れてしまい、結局直接レジンを盛り足した。フローレジンはこういう時に便利で微妙に盛り足すことができる。ボンディング剤なしだが軽くエッチングしているので、しばらくは留まっていそうである。咬合調整には苦労し写真撮影用のミラーを口に入れて合わせ鏡にして自分で削った。

その際の上の前歯の形態はどのように設定したかであるが、
1.歯の長さは上の犬歯から臼歯の高さと一つの平面になるようにする
2.唇側面の歯面には盛らないで長くするだけにし、形状は移行的(元々ほぼ平らな形をしている)
3.舌側面も移行的にし斜面は今までと同じにする
4.切縁は軽く口を開けた時に下顎前歯の切縁との隙間がほぼ均一になるように調整
5.いわゆるメディアンスペースは元々の大きさとほぼ同じ
基本的には演奏に関係なく見た目と機能が妥当になるようにした。これでほぼ音が出る状態であったが、特に高音域のために多少の調整を加えた。長さは1.0〜1.2mmほど長くした。最初はもうちょっと長かったが、一部下唇に当たって振動を止めるような感覚があり削ってその長さに落ち着いた。

いやあ、吹きやすいです。最初は例の「上のFくらいで微妙に口角が上がる」が時々起こったのだけど、慣れると苦労せずにほぼ同じアンブシュアで吹ける。中〜低音域はあまり歯の影響は受けないようなんだけど、高音域では微妙な調整で吹き心地が変わる。特にhighC〜highFはポイントが狭くすごい楽に出る状態が調整する中で数回出現したけどちょっと削るとダメで、まあこれは逆に言えばその歯で楽に吹けるセッティング(リムの位置や息の方向)の範囲が狭いんだと思うので慣れかなと。でも慣れてもどうもhighE〜F辺りの当たりが不鮮明だったが、これは左の1番2番の間の隙間をホントちょっと調整することで解消した。

でも、音質が大きく変わった。歯が短い時の方が重めで太めな音で嫌いじゃなかったんだが、吹き心地が軽くなったせいもあるかもしれないけど、良く言えばスピードのあるクリアな音だけど、どうもねえ。もうしばらくこれで吹いて音作りをしてみることにしようと思うが、たぶんマウスピースも選び直さないといけないんでしょう。最初はマウスピースを小さく感じたのでリムを大きくするかボアを大きくするかと考えたのだが、慣れてくると何だか抵抗感が物足りない感じでむしろボアを小さい方がいいかも。

実は最初、模型上で適当にシリコンパテで形作ってみたんだけど、いい加減に作ったか加圧形成の時に押されてパテが変形したのかで舌側が厚めになってしまった。これが何とも吹きにくいんです。あまりに吹きにくいんですぐ止めて外しちゃったのだけど、もう少し吹いて検証&実験してみればよかった。それが単に舌位の問題なのか気流の問題かはわからないけど、かなり影響ありというのを体験した次第。
今まで患者さんがちょっとの調整で良いだの吹きにくいだの言っていたのも、正直言って半分気持ちの問題かと思いつつ付き合っていた面もあったのだが、ホントひと削りで違うというのを実感したわけです。私もその仲間かと思うと・・・ああいやだ〜〜。

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