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November 09, 2005

高音域の出にくい前歯の形

11/1「お団子型前歯」の続編です。

何らかの原因で上の前歯の形が変わって金管楽器で高音域が出しにくくなったというとき、考えられる要件は以下の4点。
1)唇側面が膨らんでしまった。
2)歯の長さが短くなった。
3)舌側面、特に切縁寄りの斜面の角度が水平に近くなってしまった。
4)切縁寄りの三角の空隙(いわゆるメディアンスペース)の形態が変わってしまった。
今回のお団子前歯は1〜3に当てはまっていると予想される。
1)については以前にも、セラミックが剥げて盛られたレジンの歯頚部寄り(ちょうどリムが当たる)が膨らんでいて高音域が窮屈な感じがすると言われたが、そこを削ることで解消したという経験があり、今回高音域が出にくくなったのと同じ理屈(リムの当たる位置に比べて切縁が内側に入るために切縁からアパチュアまでの距離が大きくなる、上唇の振幅が大きくなるということか??)なのではないかと思う。これは矯正器具が付いたときも、痛くてプレスが出来ないから高音域が出にくくなるというものあると思うが、これも同じ理屈かも。
2)については、歯が短かくなったためにアンブシュアに影響があったと想像されるケースは多く、口角が横に引き気味になる人、口角が下がり上唇中央部が上がってヘの字の口になる人、高音域で上唇が上に上がる人・・・といろいろパターンはある。今回、形態修正で唇側面の調整に伴い少々長くする予定であることを伝えたところ、抵抗されたのであるが(他院で調整した時、長いと吹けなかったそうで)結局0.5〜1mmも長くした。
もちろん長過ぎてもいけないわけだろうけど、特にトランペットの人の間に「前歯は短いほどイイ」という信仰があるのは困りものだ。まあ確かに短くした直後は何か高音が楽に出るような気がするんでしょうけどね。
3)歯に凝っているトランペット奏者の間では切縁寄りの斜面が急であることは重要らしい。私はこれはどこまで影響があるのかわからないけど、今回みたいにあまりにも普通の歯の形からかけ離れていれば影響はあるんだろうなとは思う。本当はもっと舌側面の中央部を凹ませたいところだが、今回はノータッチ。
4)試しにちょっとだけ大きめ(といっても普通)にしてみたところ吹きずらそうにしたので、元の差し歯と同じくらいに戻した。高音域の出やすい隙間の大きさというのには絶対的なものはなく、変化することが問題かもと以前から思っているがやっぱりそうかも。

051109赤はお団子形のレジン前装冠、黒は普通の前歯の断面(イメージ図)。ほぼ黒の形態に修正したのだけど、斜線部は削ってありません。あんまり関係ないかも。もちろん削って良くなる可能性はあるけど、本人望んでないので・・・。いつもは複数の修正をするとわけわからなくなるので一カ所ずつするのですが、今回は図を見るとわかるように1〜3の条件を一度に変えました。結果はちゃんと音が出るし、特に高音域の音質が良くなった(スピード感が出た感じ)。

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