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October 20, 2005

医療は商売ではない

この前演奏会後の飲み会で、私の隣には例の歯周膿瘍になった金管吹きがいて、反対の隣にはこの前のダフニスとクロエを前に左の人差し指の先を曲げる力が入らなくなって手術をした笛吹きがいて、向かいには旦那が整形外科医という弦楽器の人がいた。
その金管吹きが歯が腫れたけど無事直った、もしこれが差し歯を作り替えたら思うように吹けなくなり大変なことになっていたという話をし、笛吹きの方も自分も指が思うように動かなくなり、日常生活に困らない程度でもいつもと違うということで苦労をした話をしていたのだが、そこに整形外科医の奥さんは、なんだか自分が筋肉や神経の専門家であるかのように話に入って来ていて、最初は私は黙って聞いていたが、そのうち「歯の形が変わっても筋肉や神経は順応するから吹ける」とか言い始めたので、私は歯の形が変わるとこんなこともこんなこともあるんだという話をしたところ「それはあなたが商売でやっているからだ」だって。「悪いけど私は商売でやっているのではない」と言ったところ、プイといなくなってしまった。
私が必要もないのにお金のために歯の調整をしているとでも言うのだろうか。話だけで何もしないこともあるし、調整する場合でも少々の費用はいただいているがほとんど材料代だし、時間をかけて対応しても儲けにならない。これを医療だなんておこがましいことは考えたことはなかったが(どっちかというと趣味だし)、医療か商売かといえば、医療であると私は思っている。
それで医療と商売の違いは何かとあらためて考えてみた。基本的に商売は自分の利益のために行うものである。しかし医療はあくまでも患者の利益のために行うものであり、そこにはホスピタリティーの精神があるはずである。だから、商売ではお金をもらう方が礼を言うが、医療では逆なのだと思う。実際多くの良心的な医療人は、患者の立場に立ち例えそれが儲からなくても患者にとって良いと思う治療法を選択するのである。少なくともどんな医学部/歯学部でもそういう教育をしているはずであり、各人の良心が医療を支えているのである。もちろん、同じ医者から見てもこいつ商売しているなという類いもあるが、それでもきっとそれぞれの価値観の中で患者のためを思って行っているのである。
だから、その「商売で」ということを普通の人が冗談で言うのはまだしも、自分が医療で生活をさせてもらっている人がそういうことを言うとは情けない。所詮、虎の威を借る何とかなんだろうな。

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