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October 2005

October 26, 2005

バズィング

私はこのところ、たまにであるがバズィングの練習をしている。
バズィング(今回の話はマウスピースもリムもなしでやる唇のバズィングね)については上手くできない人も多いだろうし、必要ないあるいはやるべきではないという考えの人も多いのではないかと思う。私は出来ないことはないけど出る音域は狭いし、特に考えもなくバズィング練習をやろうと思ったことはなかった。しかし、この夏に山にこもってホルンの修行をしてきたときに「バズィングが足りない!!」と指摘を受け、やり方を教わってきたのである。上記のような疑問をぶつけたところ「それはバズィングのやり方を知らないだけだ」とのお答えであった。
バズィングは実際に楽器を吹いているときのアンブシュアとは基本的に違う。リムがないのである。そのリムの仕事の代わりを筋肉にさせるのがバズィング練習ではないかと思う。
さて、その「バズィングが足りない!!」と言われた私の状態はどんなだったかというと、唇の上の筋肉が使い過ぎというのほぼ完治はしていたつもりだったけど、特に高音域になると口唇が上に上がるのである。調子がいいときはそれほどでもないんだけど、ちょうどその頃どうしても上がっちゃって、自分は上の歯が短いからしかたないか・・・と悩んでいたのであります。
では、口唇が上に上がっちゃうということはどういうことかというと、以前あたびしさんがコメントで紹介くださったサイトのマウスピースの中で口唇が前後にバタバタ動いているスロー映像を思い出すとイメージしやすいと思うが、そのバタバタする上唇の量を少なくしているのではないかと思う。つまり、本来息の圧力を上げることでバタバタする速度を上げて高音域を出すべきところを圧力が足りないから口唇を上げることで量(というか面積)を減らすことで速度を上げているんですね、きっと。金管楽器で息の圧力を上げるということは単に呼吸器の問題ではなく、それに耐えるだけのアンブシュア(特に下唇の下あたりや舌)とそれを支える周囲の筋肉(特に喉周り)が必要だということらしいのです。
その感覚を養うのがバズィング練習だということなんでしょう。
それでどうなったかというと、割とすぐに高音域で口唇が上に上がる症状は治り、以前と違うのは、カップの中に入る上唇の量が多くなったような気がする。まだ、自分が良いと思うアンブシュアではコンスタントで吹けないしhighF辺りにくるとちょいと情けない音になるが、高音域の音質が格段に良くなるような気がする。それと若いときから苦手だった高音域のリップトリルが楽に出来るようになったことが大きな違いかも。

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October 19, 2005

歯科用レーザー

昨日は日本音楽コンクール(毎コン)のホルン部門の本選であった。普通に勤労している私は聞きに行ったわけではないが、夜中のNHKのニュースで映像入りで1位から3位の結果が発表されていた。1位の方は以前から愛読させていただいている某サイトの家主様であった。もちろん直接知っているわけではないが日記を読んでいるので何だか一方的に親近感ありで・・・おめでとうございます。
彼は本選1週間前に口唇ヘルペスになってしまったんだそうである。
話は変わるが、私のとこのオケにも本番1週間前に上の前歯の歯周膿瘍になってしまい、歯医者に行ったら差し歯を外して根の治療をしなきゃで場合によっては抜歯かもと言われ、それじゃ吹けないと半年休団するとまで言い始めたのをなだめて、レーザーを積極的に利用している近所の先生に紹介し結局差し歯を外さずとも膿瘍は消失し無事に本番を乗切ることが出来たという人がいたのであった。
このレーザー、歯科にも応用されるようになって10何年かだと思うが、最近は普通の歯医者でも手が届くくらいの価格になり、普及率も業者が言うには20%を超えるくらいになったようである。何に使われているかというと、ほんとあらゆること・・・虫歯を削らずにレーザーでとかメスの代わりにレーザーでとか根の治療もレーザーで短期間で終わるとか・・・。私は矯正歯科なのでそういう風には使わないが、矯正中の歯の痛みを軽減する、歯が早く動く(と言われている)ので、欲しいのである。矯正治療を早く終わらせるには、毎回の丁寧な処置と的確なブラケットポジションが実は大切だと思っているし、痛くないためには伝統的な治療方法にとらわれないことだと思っているが、「早く痛くなく」をコンセプトにしている以上、レーザーは導入したいのである。ということで、以前からレーザーに興味がある私は、このHPにも歯科におけるレーザーの適応について書きたいと思いつつもそのままにしてあるのであった。
管楽器奏者にとって口の中の何らかのトラブルによって演奏に影響が出ることがあるわけだけど、それはしかたないとしても、できるだけ早く回復して演奏できない/演奏に支障のある期間が短く済むことが大切だと思う。そのためにレーザーはかなり有効だということです。特に口内炎や口唇ヘルペスには即効性があり治癒するまでの期間が短縮できる。また、口の中の何らかの外科的な処置を行うにしてもレーザーを使った方が直りも早いはず。歯ぐきの腫れや歯の動揺にも効くので、すぐにでも症状を抑えたい時にももってこいだろう。しかしながら、レーザー照射は基本的に保険適応外であるし、普及率が高くなったと言っても現状ではレーザーを最大限に診療に活かしている歯医者というのはまだまだ少ないんではないかと思う。とはいえ、最近ではHPでレーザーを置いてある歯科医院を探すことも出来る。本番前に困った!!というときは活用してはどうでしょう。一般的に1回3〜5千円くらいが相場かと。
しかしながら、口内炎や口唇ヘルペス、歯周膿瘍なんていうのは、疲れていたり身体が弱っている時に起こるのであるから、無理して練習するより、良く休んで体力付けるのが大事なのであります。そういう意味ではレーザーなんて使わずに直るまでゆっくりしてる方がよいのかもしれませんが。

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October 18, 2005

木管用アダプター(3)

4月に割と集中して木管用アダプターを作る機会があったので、デザインについて考えていることを書いたのであるが、その内の1人が最近再来院した。
春に当院で作ったアダプターを自分で削ったらワケわからなくなってしまい、ちょうど夏に横須賀に行く機会があったので根本先生に作ってもらったのだそうです。それに慣れたのでスペアを作って欲しいということであった。私としては削る前に相談してほしかったなあと思ったのと、最終的には違うデザイン(いわゆる根本式アダプター)を本人が選んだわけでちょっとくやしかったのとあるけど、アダプターを作った後の様子を知ることができた貴重な体験としてありがたいと思っている。
最初当院で作った時のデザインは、紹介者の意見や演奏時のレントゲンや骨格を考慮して、下顎を前方に出さないで済むように唇側面に厚みをもたせ切縁はあえて被わず(高さが変わらないということ)に作製した。試奏するうち小臼歯まで延ばした方がよいということで、少々大きめのアダプタ−となった。
本人は「試してみたい・・・」というのが希望の年齢的に中堅のプロのオーボエ奏者であること。この点をよく考えれば良かったと反省してます。だから、あまりアンブシュアや顎位を変える必要がないというか変えない方が良かったのであろう。だから、単純に切縁の上と唇舌側に1mm程度のほぼ均一のレジンで被う、言ってみればカバーのような物の方が違和感がなかったのだと思う。もちろん1mmの高さの変化はあったわけだから、最初は違和感があって慣れるのに少々時間がかかったということである。
アダプターの目的は、顎位を変えることもそうだが、口唇との接触面積を増やして楽にくわえられることと同時に微調整(マウスピースの角度等)がしやすくなることだと思うので、すでに奏法が出来上がっている人にとっては後者がメインにしたほうがよいのであろう。だったら、歯並び自体があまり悪くなければ吸引形成器のような物で作った方が再現性もあるしいいのかもしれない(2/17のリップガードの上の方のヤツです)。
また、クラリネットとオーボエでは多少違うのだろうと思った。クラリネットの場合はマウスピースを下顎前歯の唇側面に乗るような形なので被った方が良い時が多いかもだが、オーボエではむしろ邪魔になるかも。この辺はまだよくわからないです。

私の願いとしては、当院でアダプターを作った方、やっぱり合わないという時は、ぜひとも様子を知らせて欲しいです。私の経験では自分で削り始めるとわけわからなくなるから、歯医者で調整する方が身のためです。自分で調整することを覚えると(これは歯もアダプターも)その歯で吹く覚悟が出来なくていつまでたっても口にばかり意識が行ってしまいよくありません。調整は喜んでやりますので(一応アダプターを入れるときは本人が納得いくまで調整してからお渡ししてますので、1回千円から二千円程度の調整料をいただくことにしていますが)お気軽にご連絡ください。
それから、自分でももうちょっと研究したいです。サックスを再開するかなあ・・・(せっかくホルンの調子が良くなってるのに危険だが)。

で、もう一つの問題、アダプターのスペアの作製方法です。長年試行錯誤の上(といっても別に何もしてないのだけど)現在の私の方法は、アダプターを口腔内に入れた状態で印象を取り、普通の模型とアダプター付き模型を用意します。アダプター付きの模型にヘビーのシリコン印象材で型取りして、その陰型にユニファストを練ったものを流し模型に圧接します。ほぼ固まったところでシリコン印象を外しはみ出しレジンを柔らかいうちに切りとります。そうすると、ほぼ似たような物が出来上がりますが、どうしても厚くなるので、仕上げにノギスで厚みを測ってさらに似せます。最後に口腔内に入れて実際に吹いてみていただいて確認。何かいい方法ないかなといつも思っているんですけど、良いアイディアがあれば教えてください>歯科業界の方。

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October 05, 2005

災難

最近ウチで矯正治療を終えた患者さん、上の前歯の歯と歯の間(専門用語で隣接面)に虫歯の治療がしてあってその詰め物が変色して黄ばんでいたので、矯正治療が終わったので詰め直してもらってはと話していたところ、行った先の歯医者さんでラミネートベニア(歯の表側の面全体を削ってセラミックの板を貼付ける;自費治療)を勧められてしまい、せっかくきれいに並んでいるのにそれはもったいない、じゃあ私が今度の来院日に直しましょう(簡単なレジン充填くらいはやっているのです)と言っていたのだが、気になると気になるもので、待てずに違う歯科医院で治療をしたんだそうです。確かに詰め物自体は白くなったが、歯の形が変わってしまった!とSOS。それで今日来てもらったのであります。
確かに切縁が斜めに削られて短くなっていて裏側の形も変わっていて、模型を取って確認してみると明らかにタービンの削り跡がある。虫歯の詰め物とは違うところが削られちゃってるんですね。ところが治療の直後にそれに気がついた患者さん、それを歯科医院で訴えるも、いや詰め物の材料がちょっとついただけなのでとれば戻るとか、絶対削っていないから噛み合せですり減ったんだとか、挙句の果てに楽器が当たってすり減ったとか言われ(フルートが歯に当たるというのか?)、埒があかなかったのだそうです。私のところでは削られる前の写真も模型も残してあるので、今日はレジンで綺麗に元に戻しました。
元々の虫歯の治療跡があまり大きくなかったのにラミネートを勧める歯医者もどうかと思ったけど、おそらく手が滑って削っちゃったんだろうけど、それを削った本人が本当に気がついていないとしたらどうかと思うし、もし気がついていてやっていないと言い張ったとしたら、それもどうかと思う。
その歯医者がよほど目が悪いか不器用なのか・・・と言いたいところだけど、削られた切縁の長さは0.数ミリ程度だし、裏側なんて患者は見えないし、普通なら気がつかないか気にならない程度の変化であって、普通の歯医者レベルでは問題ない範囲なんでしょうかね。本人はフルートを吹いているので矯正中から自分の歯を詳細に観察していた訳だけど、歯科医院にとっては神経質なクレーマーくらいに思っていたことでしょう。おそらく演奏にも多少の影響があったと思うのだけど、それよりも見た目が変わったことがショックでそれどころではなかった様子。ほんと災難でかわいそう。
世の中には、こんなことはたまには起こりうるのであって、気をつけた方がいいですって、気をつけようがないですね。少なくとも日頃から自分の歯を良く見ておいた方がいいかもしれません、知らないうちに歯の形が変わってしまうかも。

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