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July 2005

July 27, 2005

クラリネット矯正治療後(2)

今日は、クラリネットの患者さんで10日前に矯正器具を外した学生さんが来た。矯正器具を外して次のチェックは通常1ヶ月後にしているのであるが、上の前歯の微調整のために来ることになっていた。
彼女は音大生で元はかなりの上顎前突であった。最初はアダプターを入れたのであるが、こんなに良いのなら歯列矯正して前歯を下げればもっと良いだろうと、音大合格後に矯正治療を始めた。普通だったらもう少し早く終了できたのだろうが、最後の仕上げの段階で上の前歯と下の前歯の間にちょうどマウスピースがおさまるくらいのギャップが出来てしまった。当然クラリネットを吹くと上の前歯が前方に出る力がかかるわけで、普通にアマチュアで吹いているくらいなら特に問題ないのだが、さすがに音大生で演奏時間も長いとなると影響が出るようである。顎間ゴム等頑張ってくれて、それでもほぼ2年間(標準かな)で終了することが出来た。
彼女の先生のアドバイスで矯正装置撤去と同時にアダプターを作製した。抜歯して矯正したので下の前歯は立っており、唇側の上方1/3ほどを薄めに被い、切縁部の高さが1mm程度の一般的なデザインである(4月27日のブログ参照)。歯並びが良いからといってアダプターは適応でないという訳ではないのである。ピアノのコントロールがしやすいのと、疲れないのでいくらでも吹けるというのがアダプターの効果ということであった。
歯科矯正終って音色が良くなったのもそうだけど、「リードが薄くなった」と言うので、あれ??と思ったのであるが(3月30日のブログ参照)、薄く感じるようになったということであった(つまり厚いリードが必要になった)。前歯が後ろに下がった分マウスピースの浅い部分をくわえるからであろう。やっぱりね、これは一つの法則にできるかも。
それで今日は彼女から希望した訳ではないが、元々の歯並びの関係で上の前歯の摩耗の仕方が左右で違うので調整することをすすめたのである。歯並びが普通以上に良いはずであるが、左上の中切歯を中心にくわえており(マウスピースが左に寄っている)首を少々左に傾けて吹いている。当然筋肉(特に大頬骨筋あたり)のバランスが左右で随分違う。最初は普通に吹いてもらって左右の中切歯に当たりが出るように調整したが、途中から意識的にマウスピースを中心に持ってきて真っ直ぐ構えて調整をした。すると音質ががらりと変わり明瞭な抜ける音となる。吹いてる方も楽だということである。それから音量も(「いくらでも大きい音が出そう」とのこと)。削ったのは0.数ミリといった程度。筋肉のバランスもほぼ左右対称になった。
楽器を真っ直ぐ真ん中でくわえることは、必ずしも必要でないかもしれないが、ほんの少しの調整で実現できるしイイこともあることを皆さんに知って欲しいと思う。
元々とてもまじめに楽器に取り組んでいる学生さんで、矯正器具を外しアダプターを入れて本当に嬉しそうだったし、今日の調整も喜んでくれて私も嬉しかったのでした。クラリネット、頑張ってね!!応援しているから。

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July 19, 2005

道具に頼らない

今回の演奏会に関連して本番前から既にブログのネタは決めてあって、題名は「道具に頼る」本番直前にマウスピースを変え、それまで手でゲシュトップをしていたのをゲシュトップミュートを使い、上手く行ったという話を書こうと思っていた・・・予定では。いやあ、予定は予定通りに行かないものです。
マウスピースは、私は普段はマックウィリアムモデルの2番を使っていて、同じモデルの1番と3番も持ち歩いている。リムは一緒でボアの太さが0.2mmずつ違うのである。3番は少々カップが浅いのであるが、3本は同じ吹奏感で音域が換えられるような気がする。マウスピースを音域で使い分けるコツは、ウォーミングアップを普段のマウスピースで行うことだと思う(そうしないで以前スランプになったことがある)。最近では復活のバンダとか現代曲でやたら音が高い曲で3番に変えて本番を乗り切ったことがあるが、今回あまりに音が低いので1番を使うことにした。別に2番でも吹けないこともないのだが、気分はサラ・ウィリスである(実際彼女はマックウィリアムの1番を使っているらしい)。ブオンと太い音が出るのと、低ーい音で伸ばす時の安定感が違うのである。
マックウィリアムの1番に変えたばかりの前日当日のリハではいい調子だったのに、本番で・・・。やっぱり低音用の筋肉がくたびれてきたようで。
ゲシュトップは私は手が小さいのでずぶずぶと奥に入ってしまい音が上がるのでありまして、口で下げているんだけどそうすると今一リスキーなので前日当日のリハでミュート導入したのだけど、それだと手でやっている人と音質がつながらない(交替で伸ばすのである)ので本番はメインチューニング管を抜いて吹くことにした。問題の箇所は上手く行ったのであるが、管の長さを戻す時に指揮から目を離したらどこが1拍目かわからなくなって次が・・・。本番だけ違うことはしてはいけないのである。
ということで、道具に頼ってはいけない・・・?という話でした。

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July 11, 2005

練習する環境

社会人のアマチュアの奏者の場合、個人練習をするのはたしかに大変なことである。

ウチの診療室では管楽器関係の相談の場合問診票に練習時間を書いてもらうのだが、中には週1回2〜3時間(それじゃあ合奏の時しか吹いていないの??)という人も割といるし、ウェブ上とかでも週末しか吹いてない平日は吹けないと堂々と言っている人も多い。
でも、いくら仕事が忙しくても(よほど忙しい人は別にして)寝ている時間だってご飯食べてる時間だってあるのだから、作ろうと思えば練習する時間は作れるはずである。練習場所だって、防音室入れたりカラオケボックス行ったり、プラクティスミュートやサイレントブラスだってある(よくないとはいえやらないよりはずっといい)。要は、無理や努力をしてまで練習するかどうかの違いである。
毎日練習するのがいいに決まっている。かといってそうじゃない人を責めるつもりは全くない、いろいろな管楽器の楽しみ方があったっていい。人に迷惑かけない程度に吹けていれば何も無理に練習しなくていいかもしれないが、練習をしたほうが合奏だって楽しいよ。私だってさぼる日もあるので偉そうなことを言えないが、できれば毎日練習したい気持ちはあるし、しなかった日はヤバ〜〜と思う。あまりまじめな人間ではないので、自分が練習するように仕向ける努力は若い頃からしている。
まずは、何か目標を作る。例えばレッスンに行くのもよいし、ごまかしのきかない室内楽をやるのもいい。モチベーションが下がったと思ったら、何かそういった具体的な発奮材料を作るようにしている。それから、いつでも気が向いたらすぐに練習を始められるように、楽器を組み立てて部屋に出しっぱなしにしておく。面倒くさがりの私は楽器を用意すること自体が億劫なのである。15年ほど前、その頃は楽器を和室の畳の上にいつも出していたのであるが、ある日Gパンをはいている途中で電話がかかってきて出ようとしたとき楽器をまたぎ損ねて思いっきりベルをふんずけてしまい、半分グチャ〜っとなってしまったことがある。それ以来楽器はテーブルか椅子の上に置いている。最近は楽器買って同じ機種が2本になったので1本を練習用に職場に置いて、少々時間が出来ると休憩室(当然すぐ出せるようにしてあるしマウスピースもそれ用に同じ物をもう1本買ったし)で練習するようにしている。
このように私は、練習する環境を整える努力はするのであった。実際にちゃんと練習しているかはまた別の話ですが。
週に1回長い時間練習するより、15分でも毎日吹いた方がいいそうです。ウチの診療室に来る人見ると、むしろ大人になってから始めた人やジャズの人の方がマメに練習しているように思う。若い時の貯金(練習のね:私のはとっくの昔にそこをついたが)は当てにせず頑張って練習しましょう。

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July 09, 2005

マウスパイプ用ホース

6/21「小指が痛い」の後日談。
ハンドガードにティッシュつめたりと色々したんだけどだめで、3種類の太さのホースを購入。試した結果マウスパイプと同じくらいのホースを左の写真のように切ってかぶせて使ってます。途中まで縦に切れ目を入れマウスパイプにカバーし、そこから出た部分は写真ではだいぶ離れているように見えるけど、ホースの弾力で持つとマウスパイプに寄るのでいい具合に手のひらに密着する。最近慣れて手のひら全体で支えられるようになってきました。手が小さくてマウスパイプが内側寄りの楽器の人にお薦め。透明だから目立たないしホースは1メートル買っても何十円かです。
まだ少々小指は痛いけど(もちろん日常生活には全く支障ない程度)、それよりも指が痛かった間に練習不足だったツケの方が痛い!!調子が悪い訳ではないが、口唇の下の筋肉が少々落ちた感じ。ロングトーン頑張ります。
右の写真は今まで使ってたマウスパイプ(ノイネッカータイプ)を重ねたところ。巻きの大きさが違い、指掛けの辺りの位置が違うだけでなく、一番外に来るところも微妙に位置が違う(写真でわかりにくいけど)。だからホースの厚さ分外にくるだけでも持ちやすい気がする。050709

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July 06, 2005

ローリング法

ウチの診療室は矯正歯科専門なので自ら矯正しようと思ってやって来る大人の人は、口に関心がある訳なので皆さん歯をきれいにしている。でも中には歯面はつるつるでマメに磨いているんだろうけど歯石(大抵縁下歯石)がついていて歯肉が微妙に腫れている人(大抵30歳以上)がたまにいる。聞くとほぼ100%ローリング法(もしくは縦磨き)で磨いているということである。
現在、どの学校でも歯科医院でもスクラッビング法を指導すると思うのだが、昔はローリング法が流行っていた。テレビのCMでもそうだったから覚えている人もいるのでは。ウチの歯科衛生士さんは私とほぼ同じ歳なんだけど衛生士学校でローリング法を習い就職後もローリング法を指導したということである。私は大学入ってすぐ大学病院で治療を受けた時にスクラッビング法を習ったし(ローリング法用の歯ブラシを渡されたが)講義でも実習でも当然スクラッビング法であった。ということは、ちょうど20年くらい前が切替え時期で多少のずれがあったんでしょうね。だから、それ以前にローリング法を習ってずっとその方法で磨いているとそういうことになるんでしょう。そういう人は虫歯も少なく歯医者に行く機会もなくてということなんだろうけど、そのまま50歳代に突入していたら歯周病で大変なことになってたんじゃないかと思うと、今矯正しようと思い立ってくれてよかったです。
これをご覧のローリング法愛好家の方、ぜひ磨き方を変えた方がいいです。

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July 03, 2005

やっぱりアイドル

050703今日はベルリン&ウィーンフィルのホルン8重奏。オペラシティは満員、ホルン吹き含有率推定70%(?)であった。それぞれの4重奏ではお互いの特徴が出ていて、しかも一緒になると音色も音楽も合わせてくるところはホントさすがである。相変わらずサラの低音はすごかったが、それ以上にアルトマンの低音は本当にすばらしい。でも私はやはりドールの音がイイ、やっぱりホルンは(103は)ああでなくっちゃ。バボラクがいくらすごいって言ったって私はドールの方が好きである。
そしてストランスキーの品格のある演奏にはホレボレする。
ストランスキーが基本練習をしているところを見ていたことがあるが、びっくりするくらい何も顔が動かない。同じ口で同じマウスパイプの角度で上から下まで吹くのである。で、今日も美しい立ち姿で吹いていたわけだが、彼が1番で上手(カミテ)側に来ると指の動きも無駄がないのか何を吹いているのかわからないくらいであった。もちろん楽器も違うしマウスピースも全然違うわけだし、彼は前歯が上下とも見事に立っていて、とても真似をできるわけがないのであるが、私の究極のお手本である。高音域と低音域でアンブシュアが違ったってイイ音すればいいじゃないかとか、動いたって上手ければいいじゃないか・・・という考えも多いと思うが、私個人はあくまで上から下まで一つの無駄のないアンブシュアを目指したい。
早いもので4年。その頃私はひどいスランプで首痛にも悩まされていて、でも新響では1番を吹かなきゃいけない状況でとても辛く、きっと徐々に陥っていったスランプなので自分でも何が問題かわからなく単に練習不足くらいにしか思ってなくて、軽い気持ちで受けたストランスキーのクラスでいきなりアンブシュアを直されて、最初はほとんど吹けなくなったし、しばらくはそのアンブシュアで真ん中の1オクターブしか出なくてトリプルアンブシュア(?)になってたけど、翌年「1年間頑張りましたね」と言われたときは涙出ました。やっと去年の夏あたりから安定してきたのでまた見てもらいに行こうと楽しみにしてたのに、今年の草津は彼のクラスがなくて残念。長いことかかったけど、あの時アンブシュアを変えて本当に良かった。そういう意味ではアイドルどころか大恩人です。

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