« May 2005 | Main | July 2005 »

June 2005

June 30, 2005

眉間のシワ

私は、お陰様で年齢の割には顔にシワがなく(内側から張っているだけとも言われているが)、これも顔を使って吹くホルンを長年やっているためと喜ばしく思っているのだが、唯一眉間に縦ジワがついてしまい時々マッサージをするも取れそうにない。これは数年前までのスランプ期間中、眉間にシワを寄せてホルンを吹いていたためにできた跡である。思うように吹けない・・・と苦悶していたかもしれないが、というよりもそういうアンブシュアだったのである。
眉間にシワが寄るというのは、上唇より上の筋肉を余計に使っているんだろう。眉間にシワを寄せるほど上の方に力を入れてないと上の筋肉を維持できないんだと思う。

今日はアレグリーニというイタリア人ホルン奏者のコンサートであった。アレグリーニのホルンはとてもチャーミングでした。もちろんテクニックはものすごい。
その前に公開レッスンがあり2人の音大生が受講した。私は、そんなに機会がある訳ではないが公開レッスンを見るのが好きである。どんな口元/歯並びの学生がどんなアンブシュアでどういう動きで吹いているかを観察するのである。最初の一人は、口元から想像通りの楽器の向きの調整の仕方をしていた。もう一人は、眉間にシワ系のアンブシュアであった。確か去年だかヨーロッパのコンクールでセミファイナルに残ったかで私でも名前を知っているくらいで、もちろんよく吹いているし大変お上手なんだけど、アタックの度に眉毛が3cm(ってこともないはずがそんな感じに見えた)も上下に動く。眉毛が動くのも上唇の上の筋肉とのバランスをとるためであって、アンブシュアと無関係ではない。そのためか音の立ち上がりに癖がある。それが今は個性というか魅力になっているかもしれないが、ちょっと直した方が・・・って余計なお世話ですね。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

June 26, 2005

キングス オブ スイング

昨日夜中に「キングス オブ スイング」という番組をNHKBSで放送していた。ジャズに詳しくない私でも名前くらいは知っている奏者ばかりであった。シンガーの男性は確か最近亡くなっているはずなので、元気な魅力的な姿からして10年くらい前のライブなのではないかと推測される(ご存知の方がいたら教えてください)。トランペット5、トロンボーン4、サックス5にドラム、ギター、ピアノというビックバンドの編成である。奏者は皆いわゆる往年の名プレーヤー、録画当時でも50歳以上の人ばかりだと思う。
金管群については、ほぼ皆さん楽器吹くのにイイ感じの口元だなという印象。頬を膨らませて吹いている人も何人かいるがそれでも自然ないい感じのアンブシュアだと思う。
その中に去年当院にいらした患者さんがいた。その時は、とにかく高音域が吹きにくいという悩みだったのだが、吹いているところを見ると、そんなことよりも中音域が問題で音が揺れるし薄い口角は動くしで、金管楽器で典型的なスランプ状態であった。確かに自分で下の前歯(唇側面)を削ったために結果高さが少々短くなっており、本人が思っているように影響はありそうだったが、それ以前のアンブシュアの問題ではないかと思い、その大御所相手に中音域から練習しろとかクチビルは横に引くなとか、説教をしたのでした。取りあえずは下の前歯の形態を整えたらだいぶ吹きやすくなったということなんですがね。
その後少しして、そのお弟子さんが来て、他で矯正をしたばかりで奇麗な歯並びなのにそれでも高音域で吹く時歯が当たって痛いという。見ると思い切りプレスして横に引いていて、こだわっているのはハイトーンだけでむしろ中音域の方は駄目な音で。歯の問題でなく奏法と練習方法の問題が大きいと説明しても聞いてもらえず(先生に習ってそう吹いている訳だし)、その時は「ジャズって何でもあり?」と思って諦めて、歯の形態を修正してお弟子さんは納得したのでした。
それまでは、ジャズであってもクラシックであっても基本的なアンブシュアは同じだと思っていたのですよ。金管楽器は良いアンブシュアでなければどんなジャンルでも上手くは吹けない、と。でもそのとき、何でもありなのかなと悩んでしまったのですが、その放送を見て思いました。やっぱりジャズでもクラシックでもよいアンブシュアは一緒だと。その大御所の方の10年前のソロ、すばらしかったです。アンブシュアも悪くなかった。
若い時から自己流で天才的に吹けたんでしょうね、そうなると何かのきっかけでスランプになりやすい。それはジャズもクラシックもいっしょ。歯の長さを変えたことがきっかけでアンブシュアが戻っていればいいんですけど(その後の演奏聞いてないのであります)。

| | Comments (0) | TrackBack (3)

June 24, 2005

クチビルの厚さ

金管楽器を吹く上で、唇が薄くてイイとか、厚いから不利だとかいう話題になることがある。
クチビルの厚さというと赤く見える部分の高さのことを普通指すのではないかと思うが、歯科で唇の厚さというと口唇(口腔前庭の前面:赤いところだけでなく前歯を被っているビロっとなる部分)の前後の厚みをいうのだけど、ここでは赤く見える部分の高さについて書くことにします。ここは赤唇部といって皮膚と口の中の粘膜との移行部分で、組織学的にも中間的な性格で、乾いていて縦にスジが入っているので見ればわかると思います。
生まれもっての赤唇の厚さというものもあり、人種や家族的なことでもちろん人によって色々であります。が、それよりも、後天的な要素でクチビルの厚さは変わると思うのです。
例えば、クチビルが厚いな〜〜という印象の人というのは、実は赤唇部自体が厚いというより、内側の粘膜が表に出ていることが多いんじゃないかと。歯が前に出ていたり、口唇が短かったり、いつも口唇を開いているような人は、どうしてもめくれて粘膜寄りの部分が表に出てしまう。また、出っ歯(上下の前歯の前後的な位置の差が大きい)だと下唇が上の前歯で翻って厚く見える。
逆に、金管楽器のプロ奏者には普通以上にクチビルが薄い人がいるように感じるのだが、私が思うに、成長期以前に金管楽器を始めることで口唇が発達して長くなって、結果赤唇部が内側に入り込んで薄く見えるんではないかと想像しているのです。
だから、クチビルが厚いと金管楽器(この場合はリムの小さいトランペット、ホルン限定ですな)に向かないとか、薄いと上手いというのは、クチビルの厚さ自体が楽器の上手下手を決まるんじゃなくて、厚い人の中には歯が出ていたり口唇の力が弱い人が多いので、そういう人は金管を吹くのに不利、上手い人には口唇が発達してクチビルが薄くなる人がいるといった話なんじゃないかと思うのであります。
だからあんまり見た目のクチビルの厚さで楽器の向き不向きを言わない方がいいのでは・・・というお話でした。元々の赤唇の厚いのが直接は下手の原因にはならないんじゃないかな(合うマウスピースは違うとは思うけど)。例えば黒人は皆厚いけど、トランペットやホルンの名人はいるのです。

歯の出具合でクチビルの厚さが変わる証拠として一つ写真を載せます。出っ歯だった金管楽器を吹いている人が矯正治療で前歯を7mm後ろに下げたのですが、クチビルがこんなに薄くなりました。(クリックで拡大します。)050624

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 21, 2005

♪小指が痛い〜

このところの練習不足の原因は大きくは2つ。以前は夜中の11時くらいに練習を始める習慣があったのだが、最近は飲んで帰ってそんなに遅い時間じゃないのにすぐ寝てしまうし、飲みにいかない日でも11時になると眠くなる。もう一つは新しいホルンに換えてから左の小指が痛くて練習する気がしないこと。

指かけが合わないというのは、新しいホルンが来てすぐに感じたので、可動式の指かけを楽器屋に買いにいったのだけど、買わないで帰ってきたのでした。理由は、思ったよりも高かったこと。以前ドイツから買ってきてもらった時は2500円だったのに楽器屋で7千円近くして驚いたのだ(何をイイ歳してケチ臭いことを言っているのか。)それに新しいラッカー付きの楽器が傷物になるのが忍びなく、慣れることが出来るならこのままで・・・。と思っていたのだけど、指の痛さは直りそうになく、意を決して昨日買いにいき今日付けてもらってきました。
とはいえ私は指かけで楽器の重さを受止めているわけではなく、添えている程度。ベルは右腿に置いて吹いてるし。でも、ちょっとでも楽器吹くと痛くなるので不思議に思っていたが、今日付けてもらいにいった時にいろいろ話を聞き、単に指かけが遠いのが原因でないことが判明した。
一つは指かけの角度。写真左は、指かけを可動式にしてちょうど良く調整したところ。バルブのラインと小指に当たる面のラインがずいぶん斜めになっているが、オリジナルはほぼ直角であった。つまり、オリジナルだと私の場合、小指に指かけの角が当たってしまうのだ。指の脇に神経があって当たるから痛いという話であった、なるほど。解剖の本を見ると確かに指の腹の両脇に「固有掌側指神経」という神経が通っていて、指の腹の真ん中に指かけがこないでどっちかに傾けば神経が圧迫されてしまうということみたい。
もう一つはマウスパイプの巻き方。写真右は、新しい103のマウスパイプだが、私は今まで巻きの大きいノイネッカーだったので、ちょうど左手の掌が当たる部分は写真の赤線のように掌に近いわけで、マウスパイプを掌全体で支えることができた。昔の103もパイプがカクカクしてたから大丈夫だったそうだ。掌の小指側は楽器との間に隙間ができるので小指に負担がかかるんだそうだ。ホースをはめるといいと教えてもらった。手の大きい人だと手首をそらせて掌をマウスパイプに密接できるのだろうけど、手が小さいとそういうわけにいかない。ホースでなくても何かはめる物を作ることにしよっと。
小指の圧迫で首までくるという話だが、そういえば小指だけでなく左腕が疲れるなとは思っていて、どうやら掌が浮くのが疲れる原因だったように思う。

じゃあ指かけに小指をかけなければいい・・・という手もあるが、私はかけなくても吹けるんだけど、構え方というかマウスピースの当て方の指標として必要な訳で、少しずつ変化するかもしれないアンブシュアに対応できるよう、単に指かけの付け直しではなく可動指かけにしたのであります。
050621

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2005

BERP

050613
去年の夏からBERPをお守りのように楽器に付けている。コンスタントに使用している訳ではないが。BERP(The Buzz Extension Resistance Piece)というのは、楽器を吹くときと同じ構え/方向/圧力でバズイング練習をするための道具。

私の診療室では管楽器関係の人は基本的に演奏時のレントゲンを横からと正面からと撮るのだが、金管の場合、正面はリムだけでバズイングしてルーチンで撮るし、たまたま横からマウスピースで撮ることもあるのだが、どうも楽器を吹いているときと、リムのみもしくはマウスピースのみでバズイングしたときのアンブシュアが明らかに違っていることが多く(具体的には歯の開きが違う)、ずっとそういうものかと思っていた。
ところが、去年とある患者さん、ホントに大スランプの様子だったのだけど、マウスピースだけで音を出すと、全くアンブシュアが違っていて筋肉のバランス(具体的には口角を引く方向)が違うんですね。マウスピースだと音は出るんだけど、楽器だと吹けない状態。
で、なるほどと思ったのだけど、マウスピースを吹いたときと同じアンブシュアならそれなりに楽器も吹けるはずだと。つまり、本来は楽器を吹くときとマウスピースでバズイングするときのアンブシュアは同じであることが、実は重要なのだと思った訳です。

ちょうどその頃、とあるプロ奏者が休職までした大スランプを「バズイングブック」で克服した話を聞いたのであります。さっそくその本を取り寄せてみました。BERP自体は5年くらい前に買って使ってなかったのであります。バズイングブックは基本的にトランペットの為に書かれており、課題を最初マウスピースのみで、その後楽器で、付属のCDに合わせて吹くという物。このマウスピースのみで吹く時にBERPの使用を推奨しているのであります。
そのプロ奏者は楽譜通りCDと同じ音でホルンで吹いたというのだけど、私にはちょいと音域的にきついし倍音も違うから、結局この本を使うのはやめたのだけど、そのままBERPは付けたままにしてあります。
どうも音が抜けないな調子悪いかと思ったら、BERPでブーブー音を出すだけ。これで音が抜けるようになる。楽器を吹くとアンブシュアのコンディションが悪くてもそれなりに音が出るけど、マウスピースだけだと音がしっかり出るポイントは狭い。つまりマウスピースだけで良い音がでるアンブシュアが良いアンブシュアなのである。自ずとリムの当てる位置や角度を微調整できる。「バズイングブック」の著者が以前某雑誌にマウスピースだけで練習する意義に付いて難しい説明をしていたのだけど、もっと単純なんじゃないかと私は思う。
マウスピースだけで吹く練習をするべきかどうかに関しては、いろいろな考えがあるようだ。マウスピースだけで吹こうとすると楽器を吹くときと全く違うアンブシュアで吹く人が多いが、それではかえって逆効果、そういう意味では吹かないほうがよい、というのがマウスピース練習反対派の意見なのではないかと思う。その辺を理解して吹くのなら必要な練習なのだろう。私は月に数回くらいアンブシュアの確認に使うくらいだけど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« May 2005 | Main | July 2005 »