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May 10, 2005

歯医者さんに行って下手になった

昨日の話の続きとして、「歯医者に行ったら下手になった」話はいくらでもあることを書いておかねばなるまい。

以前とある金管楽器奏者が歯の治療をしたら吹けなくなったと相談に来た。治療を受けたのは下の第一小臼歯で小さな2級インレーで妥当な形態をしており、元の歯とほぼ同じと予想されるし、変化があったとしても、部位からいって演奏にそれほど大きな影響があるとは思えないし十分すぐに慣れることができるはずである。でも本人は深刻に悩んでいるわけである。最初はわからなかったのだが、模型を取って気がついた(その相談よりも前に別の相談でいらしてたので昔の模型がとってあったのだ)、上顎中切歯の形が変わっているのである。どうやら虫歯の治療と同時に、歯周病の治療のためにボンディング剤(透明)で左右の中切歯を固定され近心面が埋められていたのである。普通切縁寄りには三角の小さな隙間があるのだが(歯がすり減っていれば別だが)それが埋められており、アパチュアの近くの息の流れが変化したのであろう。歯科医はよかれと思って行った処置だろうが、本人にその処置についてちゃんと説明をしていなかったのだ。
もちろんボンディング剤による形態の変化はわずかであり、実際に他人が聞いても音自体に大きな変化はないかもしれないが、吹き心地が変わることは本人にとっては大問題だし不安でたまらなかったと思う。
虫歯の治療でもそんなことが起きる可能性がある。前歯の虫歯で神経まで行っていなければ多くはレジン充填といって白い詰め物をするのだけれど、普通はそれほど大きな形態の変化はないのだが、隣接面(専門用語でいうところのⅣ級窩洞)の充填で切縁寄りの三角の形態まで気を使ってはなかなか治療されないから、同じようなことが起こりうるのである。
虫歯が大きく神経まで行っていれば、いわゆる差し歯となる。支台歯と言って歯の周囲をぐるっと削って全体に被せるので形態が変化する可能性がある。元々の歯並びがそれほど悪くなければ、両隣と噛合う歯によって歯の形態は決まるから、ほとんど形態の変化はないはずだが、一度に治療する歯が多かったり元の歯並びが悪ければ治療前と大きく変化する可能性はある。差し歯により、むしろ吹きやすくなるケースだって多々あるであろう。ただし、楽器を吹きやすくするために差し歯にする場合は上手く行くかもしれないが、虫歯等の治療で形が変わってしまうときアンブシュアが変わるなんて意識がないから、一時期吹けなくなったり調子悪くなったりするわけである。歯を差し歯にして廃業したプロ奏者の話も伝え聞くが、十分ありうるんじゃないかな。
私の周りにも上の前歯を3本差し歯にしたとき、歯科医が壊れにくく長持ちするようにとかなり厚い差し歯にされてしまった人がいて、その治療から5年もしてから少しずつ歯を削ったのであるが、音も明るくなったしやっと昔の歯のようになったということである。それまでマウスピースは横にずれてたし本人も疑問に思いながら吹いていたようであった。

ということで皆さんには、歯医者で治療を受けるときはよく説明を受けて納得してから受けて欲しいし、やっぱりまずはそうならないように予防でしょうかね。歯医者にはメインナンスに是非行ってください。

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