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April 13, 2005

粘膜奏法?

一つ何のことだろうと考えてしまったことがあって、下記のトランペットのHPで、自ら粘膜奏法の症状を訴えながら歯の治療をしている人がいるというくだりで、世の中に管楽器奏者を相手に治療をしている歯科医はたくさんいるだろうけど、自分が楽器を吹きつつ奏法を考えるというのをHPの一つの売りにしている関係上、いや調子悪いだのどこが痛いだのと自虐的なネタを披露しているのは私だけと言ってもいいだろうから、私のHP(たわごと)のどこから粘膜奏法と判断したのか考えてみた。
そもそも粘膜奏法とは何だろう?名前だけを聞いた時はアパチュアの振動部分が内側の粘膜(濡れている部分)、つまり唇を突き出しているようなことを言うのかと思ったのだが、以前患者さんの中川善弘さんに聞いたら(中川さんは大昔から粘膜奏法という用語を使っているということだ)、リムが唇の赤い所に収まってしまっているのが粘膜奏法で、リムは皮膚に乗っているのが正常・・・ということであった。唇の赤い所というのは赤唇といって粘膜とは組織学的に異なるのであり紛らわしいな〜〜と思った覚えがある。中川さんのおっしゃっているのは、リムに皮膚に置いたほうが耐久力があるというということである。それはそれで一つの解釈として正しいと思う。
たぶんそこでは違う意味合いなのだろう。しかし、唇が開いた状態という意味ではおそらく同じ定義なのではないかと思う。少なくともこの定義では粘膜奏法ではないよ、私。リムの上下とも皮膚に引っかかっているし、上から下までリムの位置は変化しないし。
最初は吹き過ぎで顔が痛いと書いたことかなあと思った。確かにその時は大スランプでアンブシュアも崩してたから。でも昔パイパースで良い奏法だと咬筋(?)が疲れると書いてらしたので、顔が痛いことはありなんだと思う。そういえば、顎を開くとか前に出すことを間違いとされていた。なら、顎が痛いとか下唇の下が疲れたとか書いた時のことかなあ?「唇が開く」ということは、下顎骨自体が下方に行ってそれにともない唇も開く、あるいは顎はそれほど開かずに唇だけ開くということになると思う。すなわち、顎関節または下唇が疲れるという症状がでるということであろう。だから、それをさして粘膜奏法呼ばわりされたんだと思う(あくまで推察)。
でも、私は唇を開かずに下顎骨を開いているのである(低音域)。おそらく、根本的にトランペットとホルンでは音の高さによる歯の開き具合の変化量が違うんだと思う。大体にして、トランペットと同じくらいのマウスピースでホルンは低〜い音も吹くのである。大抵のホルン奏者は言い方が違うにせよ低音域では下顎を開くもしくは前に出すように指導する。その顎が痛かった時の曲はトランペットで曲に出てくる低音のさらに2オクターブくらい下をフォルテでひたすら伸ばしてたんだから、普段そんなに低音吹いてない私はさすがに顎が痛くなるって。トランペットではそういうことはまずないだろうし。逆に言えば、ホルンの感覚でトランペットの人に顎の開きうんぬんと話すことも間違いなのだろう。
HP公開している以上いろいろ言われてもしかたないけど、これは診療上信用問題でもあるから、自分のアンブシュアの写真とかを公開しようかなあ?音は新響のCDが市販されてるので聞けます。フォンテックから出ている「芥川也寸志 forever」(99年)では芥川/交響曲第一番他で1番ホルン、キングレコードから出ている「伊福部昭米寿記念演奏会」(02年)ではシンフォニア・タプカーラ他で1番ホルンを吹いているのが私です。って別に聞かなくてもいいですけど、スランプ中だったし。スランプもまた活きると私は思ってまして、何にもしなくても名人な奏者よりも自分で苦労していた方がわかることもあるのではないかと。

そういえば、この前相談にきた高校生がそこでいう粘膜奏法に当たるのかもしれない。下唇が突き出ていて唇が開いた感じで、気の毒なくらい吹けていなかった。でもその子は下記HP関連の奏者のところにレッスンに通っているのである。上唇が短いわけではないのだが、骨格的に非常に鼻の下が長く結果上唇に対して上の前歯が長い(下にある)バランスになっている。で、それだとどうなるかというと、上唇を必要以上に延ばさないと吹けない、かつ息やノドのポジションから下顎の位置を決めるから、その結果口角を思いきり下げてどうしても下唇が突き出てしまうんだと思う。レントゲンを撮ってないから想像だけど。帰りがけ中学生の時はあんなに吹けていたに・・・と言っていたのが印象的だった。昨日の話じゃないけど、たぶん以前はその歯の位置なりのアンブシュアだったということなんだろうな。

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