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March 01, 2005

0.5mmで大違い(サックス編)

今日、1ヶ月前に前歯を削ったサックス奏者が微調整にいらした。とてもわかりやすいケースで歯を削ったことでどう変わるかということを提示するのにいいかと思い、「ケースリポート」にするまではいかなくとも、ちょっと写真を載せて紹介したいと思ってお願いしたところ、律義な方でわざわざ所属事務所に確認してくださって、結局何か問題になるといけないということでNGになってしまいました。残念。誰にも誰だかわからないようにちょっとだけブログに残させてください。エピソード程度ならとご本人の了解はとってあるのですが、ちょっと長いかな〜〜?。

主訴は上の前歯2本(左右の中切歯)のバランスが悪いこと。おそらくこのためにマウスピース上で上の前歯が安定しない(特に疲れてくるとズレがち)、下顎の力の入り方/下唇の厚さが左右で違う、もしかしたらボリュームがでないのもこれが原因ではないか?というお悩み。一見非常に良い歯並びなのだが、左上の中切歯がやや長く(特に遠心側)、右側に比べて前方に0.5mm弱出ている。下の歯列自体はほぼ左右対称だが、下顎が極々わずかに左に寄っているので、これで前歯はバランスよく咬んでいる状態。
左の歯の方が長いとなると、マウスピース(またはパッチ)の左に傷がつくものかと普通思うが、右に傷がついており、左が長いためにマウスピースが右上がりに傾くためのようである。
下唇の厚さが違うというか、マウスピース脇にくる下唇の量が右の方が多い(下唇を巻かないアンブシュア)。
そこで、咬合に影響を与えない範囲で左上中切歯を遠心寄りを中心に削った。もちろん、楽器を吹いて確かめながらほんのちょっとずつ削っていった。
結果は音質に変化あり。私が聞いた感じで音が楽に豊かになった感じ。ご本人も随分違うと感じているようだった。右上がりだったマウスピースの傾きが解消し、下唇の右に寄り具合も減少した。
そして再来院。音質の変化は削った直後程は感じないが、特に高音域のコントロールが楽になったとのこと。マウスピースを顔に対し水平にセットできるようになった(今まではマウスピースを楽器に対しまっすぐセットして楽器が傾く分顔に対して傾いていた)。筋肉のバランスが変わったために体に疲れが出る部位もあるが、それはそのうち慣れるのではとのこと。
右の中切歯の切縁を整え、それに合わせて左も少々削る。長いところでは前回と合わせて1mm近く削ったと思う。ほぼまっすぐにしたので、マウスピースに接するのは2本の中切歯全体ではなく両端は離れる(マウスピースはカーブしてるため)が、2本で均等に当たるように調整。マウスピースのカーブに合わせた歯の形にしている奏者もいるが、今回は相談の上そうしないでまっすぐということにした。マウスピースのカーブに合わせると中央が短くなるが、普通はあり得ない歯並びだし、自由度を残しておいたほうがいいかも・・・ということで。

当院で矯正治療をしたシングルリード楽器の方でも、歯が並んでから楽器持参で前歯の微調整を行う方が何人かいらした。元々歯並びが悪いと歯の摩耗の仕方が違っているので、妥当な位置に歯を並べてもマウスピースに接する部分が左右不均等になるため、積極的に微調整をするといいのではないかと以前から思っている。
ほんのちょっと削っただけで随分吹きやすくなることもある・・・というお話でした。

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