January 24, 2018

機内持ち込みホルンケース(3)

それで私はMB3をあと1クリックで購入というところまで行く。実際、アメリカの通販サイトから早くコンプリートしろというメールまで来た。なんで思いとどまったかというと、送料が高すぎだから。ケースの料金は495ドルなのに送料が一番安い手段でも156ドル。MB5-Babyを買ったときは70ドルだったのに、何てこと!と思ったから。送料や関税を入れると8万円くらいになる。旅行のときのみ使うにはさすがに高いかなと。サイズがわからないし、おそらく普通のMB(MB1)と同じ感じなので38×47㎝、航空会社によってはアウト。

もう一度サイトを見回すと、ソフトケースでベルと本体に分かれるものがあるではないか(MB Detachable Soft Case)。このケース持っている人がいて貸してもよいよと言ってもらっていたが、奥行きが26㎝とあるので考えていなかった。日本のカタログを見る分にはベルが外せるとはわからなかった。ベルだけスーツケースに入れて本体だけ機内持込みにするか。
それなら何かバックの中に入れた方が良いか。だったらいっそ別れないソフトケースにすれば、ケースに身の回り品をつっこめるな。国内で買えそうだから高い送料もかからない。

機内持込み荷物の標準サイズは小さくなる傾向があって、国際航空運送協会(IATA)が規格を統一しようとする動きがあり、2年前に提唱されてたのは55x 35x 20cm。将来的にはこの辺になるかも。

ということで、ソフトケース(MB Soft case 2)を買う気になっている私でした。持ち歩きには気を付けないとだけど。サイズは日本のカタログによれば51.5×36×18㎝。

画像はネットショップからお借りしました。普通のバックみたい。
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おしまい。

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January 23, 2018

機内持ち込みホルンケース(2)

注文から3か月、MB5-Babyが届いた。

私はアメリカのホルン専門通販サイトで購入した。日本で販売されているのは色以外のバリエーションはないが、実際は表生地がナイロンか皮革、フレームがファイバーグラスかカーボンファイバーの選択肢がある。せっかくなので皮革にし、カーボンファイバーの方が300gも軽くなるのでそうした。少々高くついたけど、可愛いし軽くて背負った時がとても快適で満足。
でも、やっぱり奥行きが22㎝はある!!

再度エミレーツ航空のサイトを確認する。たしか3か月前は、55 x 38 x 20cm未満の荷物1個の他に身の回り品を入れたバック1個が持込めるとあったはずなのに、55 x 38 x 20cm未満の荷物1個のみになっていた!となると、たとえMB5Babyが許してもらえたとしても、このケースは何にも余裕がないので、まったく物を持込めないことになる。ビジネスクラスであれば2ついけるようで、つくづくマイレージ優待でビジネスが取れなかったのが残念。(私は普通にビジネスを購入するようなお金持ちではない。)

そこで考えました。預けるスーツケースの中にベルだけ入れた楽器ケースを入れ、楽器本体だけを機内持込み可のスーツケースに入れてしまおう。試しに、愛用のちびスーツケース(40×34×20cmくらい)にベルとマウスパイプ(着脱可の楽器)を外して入れてみると入るではないですか。上手く緩衝材を入れれば何とかなるのでは?と思ったが、欲が出てしまった。できればメインで使っている103を持っていきたい(当然マウスパイプは外れない)、強度も心配があるのでケースを分解して構造物ごとスーツケースにいれたい。
そこで55 x 38 x 20cmのスーツケースを探しました。55 x 40 x 20cmというのはある。55 x 35 x 23前後cmというものある。しかしエミレーツのサイズちょうどというのはない。20㎝厚で小さいものはコインロッカーサイズとして売られていて、私の愛用ちびスーツケースと同じくらい。

しかし、スーツケースを新規購入してケース壊したり詰め物作ったり(発砲ウレタンとかを注入すればよいかなと)手間と時間を考えると、ベルと本体がセパレートするケースを新たに買った方が良いような気がしてきた。あるんですよ、日本のMBのカタログには載っていないけど、MB3というモデルが2つに分かれるんです。

さあMB3を買うかどうか迷うところ・・・どうする?
http://www.mbcases.com.br/en/products/mb3/

やっぱりMB5-Babyのサイズは46×35×22.5cmらしい。
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January 22, 2018

機内持ち込みホルンケース(1)

私は年に1回のペースで「ワールドドクターズオーケストラ」(以下WDO)という催しに参加している。主催者はドイツ人の医師で自分で指揮をし企画運営しているのだが、年に3回世界のどこかセッションがあり、3日リハーサルをして2~3回のコンサートをするというもの。

過去3回はANAを利用してアメリカ、ルーマニア、イタリアに出かけた。ホルンは機内持ち込みをしたいので、普段使っていないcardocaseを使用し無事持込むことができた。cardocaseはフライトケースとして作られているものなので、当然問題なかろうと思っていたが、昨年6月に出かけたとき初めてケースを計測された。大きいですねと言われたが、このケースはフライト用に作られたものなのだと主張して、何とか許してもらえた。この時は日本人だったので話は通じるし、マイレージ優待券ではあるがビジネスクラスだったので許してもらえたのかもしれない。厳しくなってきたということなのだろうと思った。

ANAやJALの国際線の機内持込み可能サイズは55×40×25㎝であるが、私のcardocaseを測ると58×38×19㎝。cardocaseのサイトによれば、3サイズあってSサイズは56×38×19cm(22×15×8インチ)。実は私のケースは中古で楽器を買った時の付いてきたので素性が良くわからないが、幅以外のサイズからSサイズのはずなのに、2センチ大きい。規格が変わったのか誤差なのか。

今年はドバイに出かけるのだが、参加が確定したのが遅くJALのマイレージ優待ビジネスクラスを確保することができなかった(エミレーツはJALと同じ系列)。前後に自分のオケの練習があるし診療を休むのは最小限にしたかったため、便を限定しており、とりあえず普通にエコノミークラスを購入した。当然エミレーツ航空の直行便である。調べると、エミレーツの機内持ち込みサイズの上限は55 x 38 x 20cm(22 x 15 x 8インチ)。どうもこの航空会社は手荷物が厳しいらしい。

まずは新大久保の楽器屋にメジャーを持って行き、在庫しているcardocaseを測るがアウト、マーカス・ボンナ(以下MB)は人気なので在庫が殆ど無く入荷待ちだそうだ。
ネットでいろいろ探しました。55 x 38 x 20cm以内に該当するのは、MBのソフトケースの他にはMB5コンパクトおよびMB7コンパクトなのだが、ともに103は入らない。MB5-Babyというモデルが103が入って縦横小さく奥行がヤマハのサイトによれば49×38×21cm。これにするか新たにcardocaseをオーダーするか迷いましたが、できてきてサイズに誤差があったらショックだし、MB5Babyなら万一持込めなくても買ってもよいかと思いオーダーしました。ちなみにMBのサイトによればMB5Babyのサイズは46×35×22.5cm。もしかしたらヤマハが正しいかもしれないしね。

JALやANA(55×40×25㎝)、欧米航空会社の多くは56×35前後×22~25cmなので、MB5かMB7のスタンダード以外であれば大抵は大丈夫ではないかと思う。それにしてもギャラクシーが機内持込み可能と書いて売ってるけど、奥行きが25cmよりは大きいだろうに。


私のcardocase

Cardo

正直重くて背負いにくい。

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December 08, 2017

歯の形は変わる、歯並びは変わる

この前15年前の自分の口腔模型を見つけて、現在の模型と比較をしてみて、意外と変化していることがわかった。上の前歯の内側が少し咬耗し、上の前歯の長さが少し短くなり、下の歯列の正中のずれがほんの少し大きくなっていた。どれもほんの少しではあるが、へ~~っと思った。

歯の形は変わる。例えば歯軋りなどをして歯に負担がかかると、歯は磨り減ったりカケたりする。歯頚部あたりに楔状欠損が起こることもある。もちろん虫歯等で歯の治療をしていれば元の歯とは違う形になる。私は自分では歯軋りなどしているつもりはないのだが、普通に過ごしていても歯は僅かずつ短くなるのである。

歯並びも変わる。昔読んだ論文によれば、咬合するとそのたびに歯が近心傾斜する方向に力がかかるそうだ。つまり長い年月のうちに奥歯は前方に移動し、そのしわ寄せを受けて歯は前に出るか叢生になるということになる。
経験的には、これは個人差があるように思う。最近聞いた話によれば、ドリコ(下顎が急傾斜な顔面骨格パターン)だと起こりやすく、ブラキ(下顎がガッチリした顔面骨格パターン)は起こりにくいということらしい。なるほど臼歯にかかる咬合力の方向を考えるとそうなるのであろう。
歯軋りや食いしばりで臼歯が磨り減る、また虫歯治療を繰り返すうちに臼歯が低くなるなどしてやはり前歯が前に出たり叢生になったりする。歯の治療方法(材料)よっては、余計磨り減ることもある。臼歯の欠損によってさらに顕著に起こる。これは上記のように自然に歯が前に移動してくるよりも大きな変化と思う。
また、成長は終わっても、歯並びに影響を及ぼす習慣は他にもある。多いのは舌突出癖。若いときは問題がなくても、中年になり歯周病によって歯の支えが弱くなると舌の影響を受けやすくなる。前歯が出てきて隙間も出来る。うつ伏せ寝で顔を横向きにしていると下顎に横から自重がかかり歯並びは歪む。などなど。

さて、それではどう対処すればよいかである。
起こるべき変化であれば、それに合わせてアンブシュアを適応させていく、あるいは道具を合わせていくということだろうか。例えば金管であればマウスピースのボアを大きくするとか。
何らかの原因があり必要以上に変わってしまったら、歯の形を元に戻すことも可能なこともあるだろうし、アダプターが助けになることもある。また、変わってしまった原因があれば、それを取り除く。調子のよい時の口腔模型を保存しておく、ナイトガード(歯を守るためのマウスピース)などを寝るときだけ使用するというのも良い対策と思う。

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November 24, 2017

アダプターの溝

当院を開院してすぐの頃からアダプターを作成し使っていただいていたユーフォニウム奏者が、最近来院した。最初は音大生であったが、15年以上経った今もユーフォの演奏を続けている。何度か作り直したり調整したりした。最初は私も手探りだったので、左右対称のつるっとした物から、上顎の前歯の非対称な並びに合わせたりしながら試行錯誤をした。

3年ほど前に「自分の歯で吹こう」と思い立ち、それからアダプターを使わないで吹いていたのだそうだけど、やはり吹きにくく、でも前のアダプターは入らないし不満もあるしということで、新しいものを作成した。
以前、アダプター表面をリアルな歯の形にして音質が変わったという話を書いたのだけど、彼女はそれを読んでいて、私のにもそうしてくださいというご要望。正直言うと、それを作るのはとても手間がかかり(歯並びの凹型を作ってレジンを流し込んだ)3万円もらってもやりたくないと思っていたので、迷ったのだけど、アダプターを使って吹くと周囲から音が浮いてしまうのだということで、しぶしぶすることにした。

やってみれば5分もかからず、溝を入れただけなので見た目あまりリアルではないが、音は激変。通常のアダプターだとメローな、おそらく不整倍音の少ない音質(それがユーフォらしさかと最初思った)だったが、溝を入れたところ、芯もありハッキリとした、でもユーフォらしい音となった。アダプターなしだと歯並びが悪いため更に不整倍音が増えるのか少々雑味のある音質なので、これだったら絶対アダプターありの方が良い音で、しかも吹きやすい。

アダプターの表面を歯並びのようにすることで音質が良くなるのは、ホルンでは起きても、もしかしたらユーフォのようなマウスピースの大きい楽器ではそれほど変化しないのではと想像していたのだけれど、むしろホルンよりも変化量が大きかったのでした。

アダプターを入れた状態。上の前歯とバランスが取れている。
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通常は上下前歯の被りに左右差がある。
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November 23, 2017

管楽器奏者とマウスピース矯正(4)

アソアライナーを2ステップ使用したところで、インビザラインで自分の歯並びを動かすことにした。目的は前に書いたが、演奏時の上下の歯並びのバランスを整えることである。歯のバランスがよい顎位で吹こうとすると私の場合、左にずれている下顎をさらに左にずらすことになり、そうすると左側の下唇が前に出る(上唇に被る)アンブシュアになってしまう。だから、下顎歯列が右に戻るようにしたいのである。

インビザラインは一般的にアタッチメントといってレジンの突起を歯に接着する必要がある。聞いたところ、アタッチメントなしでも発注できるということで、アタッチメントなしにしてみた。アタッチメントの役割としては、装置を保持させ、歯を三次元的なコントロールをすることと思うが、とりあえず無くても装置はきちんとはまり機能はする。もちろん捻転とか挺出とか歯根のコントロールとかアタッチメントが必須なこともあろうが、場所によっては管楽器演奏に影響が出るものなので、なくてもよければそれに越したことはない。

9月10月と本番が続いたのでインビザラインは使わないでいたため、使い始めてまだ1か月半ほどであるが、装着感や歯の痛みなどに関していうとアソアライナーより快適である。ただ、必要な装着時間がアソアライナーに比べて長く、一応1日20時間の使用が義務付けられているのが難点であるが、結構おさぼりしていてもそれなりに動くので、その分使用期間を長くするなどして対応できると思う。ただしシビアなケースではちゃんと使った方がよいとは思う。金管奏者でむしろゆっくり動かしてアンブシュアを少しずつ適応させたいときなどは、1ステップでの移動量を少なくしてストレスなく使うのも手である。

ということでまとめると、私のおすすめとしては
・歯列全体を動かす必要があるときは、インビザラインがよいだろう。
・ただし、歯並びの状態によってはインビザラインだけの治療だと治療期間がとても長くかかることがある(あるいはきちんと直らない)ので、固定装置をうまく併用すると良い。
・部分的な矯正、移動量の少ない場合でも、インビザラインの方が通院頻度や装置の快適さの面で患者としては楽である。ただし枚数が少ない場合はコストがインビザラインの方が高くなるので、アソアライナーの方が治療費を安くできる。
・毎回どう動かすか、吹きながら軌道修正する必要があるときはアソアライナーがお勧めである。ただ、1ステップの移動量が大きいので、新しい装置に交換した直後はしばらく歯の痛みや吹きにくさが出る可能性が高く、演奏活動と上手く付き合う必要がある。例えば吹き始める少し前から装置を外すとか、装置交換の時期を考慮するとか。
・いわゆるマウスピース矯正は、インビザラインやアソアライナーの他にも多くの会社が参入しており、いろいろなものがある。まずは矯正歯科の専門医院で相談することをお勧めしたい。一般歯科(普通の歯科医院)でよくわからなくても丸投げで治療ができるシステムもあるし、インビザラインだから安心というものでもない。とはいえ、矯正歯科専門医でもマウスピース矯正については温度差が大きく、否定的に思いつつもしかたなく使っているという医院も少なくない。まずはよく話してみることをお勧めしたい。

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October 24, 2017

管楽器奏者とマウスピース矯正(3)

数ヶ月間自分でアソアライナーを使用してみて、3回ほど壊滅的にホルンが吹きにくくなった日があった。おそらく原因は、上下前歯の関係によって上下唇の被りの加減が変わったこと。具体的には、アンブシュアを作るべく上下の前歯をそろえた時、ほんのわずか(探針ひっかかる程度)下の方が前に来ると、途端に吹きにくくなったのだと思う。
切端位での上下前歯の関係を考慮してセットアップしたアライナーではあったが、移動の過程で一時的にそのような段階になった、あるいは楽器演奏によるプレスでわずかに上顎前歯が内側に入りそのような状況となったのだと思う。

大切なことは、治療中の歯が動いている過程で、吹きにくい歯並びになることを避けることである。特に金管楽器では上下前歯の位置関係は重要である。ゼロコンマ何ミリかの違いで吹きにくくなる。

そのようなことが起こらぬよう、毎回のセットアップ状態を確認し、吹きにくい状況を作らないことが管楽器奏者をマウスピース矯正で治療する上で大切なことと思う。それでもどうしても起こりうるので、毎日のウォーミングアップに時間をかけ、アンブシュアを調整し直すことが必要だろう。

アソアライナーは毎回模型上でセットアップするので、その確認がしやすいが、技工所の担当者のよって正直セットアップの出来が違うのが難点(リカバリーは可能)。1回のセットアップでの移動量が0.8mm程度であり、最終的にセットアップ通りに近づくまでの過程の歯の動きは均一とも限らない。
その点、インビザラインは1回のセットアップでの移動量が0.25mmなので、そういった不均一な動きは起きにくいと思う。インビザラインは最終の仕上がりは術者が調整できるのだが、その過程はシステム上決まってしまう。でも確認は出来るし、ある程度は動かし方のオーダーが出来るので対応はできると思う。

例えば前歯の叢生を直すのにはスペースが必要なのだが、そのスペースを得るために、歯を削る、歯列を側方に拡げる、前歯を前に出すのいずれかの方法をとる。歯を削るのも削りすぎると歯の形が変わりそれはそれで良くない。管楽器奏者であれば、側方に拡げつつ叢生を直し、必要以上に前歯が前方に出ないようにするのが良いケースが多いと思う。

少し前になるが、とある一般歯科医(=矯正を専門としてない)向けのマウスピース矯正のセミナーを受講してきた。歯の動かし方や難易度の判定など、共感できなかったので、その装置(名前は書かない)を使うつもりはないのであるが、前歯を一度前方に傾斜移動させてスペースを作って叢生を直し、余ったスペースを最後に閉じるという動かし方が基本のようである。金管楽器の人にはあまりお勧めできない装置と思った。

いずれにしても、マウスピース矯正の装置にはいろいろあって、歯の動かし方もいろいろなので、できればその辺を配慮して治療をしてもらえるとよい。

つづく

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April 12, 2017

管楽器奏者とマウスピース矯正(2)

マウスピース矯正にはいろいろな物があるが、ここでは「アソアライナー」と「インビザライン」について書いていきたい。オリジナリティ、現在の普及状態から、この2つが代表格と言ってよいかと思う。
一般的に、部分矯正をアソアライナー、全体的な矯正をインビザラインで治療することが多いのではないかと思うが、複雑な治療もアソアライナーでやろうと思えばできるし、インビザラインでも簡単な治療向けの製品も用意されている。

装置の大きさ:
アソアライナーは歯肉部分も被っている(通常歯頸部から2~5mm、上顎口蓋側は10~20mm程度か)が、インビザラインは歯のみを被う。なので、インビザラインの方が違和感は小さい。演奏している時に外す分には関係ないが、演奏中も装着するならインビザラインの方がよいだろう。最初からピッタリだし。
アソアライナーは最初は浮いた状態で使用するので、装置が長い分、唇・頬や舌に傷が付きやすいかもしれない。また、ステップにより厚さや浮き加減が変わるので、付けたままの演奏は適応しにくいのではないかと思う。

装置の使用時間:
アソアライナーは1日17時間以上、インビザラインは1日20時間以上の使用が義務付けられている。(ごめんなさい、当院ではアソアライナーは15時間以上と説明しています。特に支障はないです。)
問題は、通常は演奏時に装置を外すので、練習時間が稼げるかどうかである。専門学生は1日3時間は練習するとして、インビザライン20時間の装置使用のためには合計1時間で食事と歯磨きをすませる必要があり、ちょっと難しいかもしれない。実際、当院の患者さんの例だと、プロオケ団員で1日15時間前後、フリーランス奏者で1日18時間前後といったところ。その場合当院では1ステップの使用期間(通常2週間)を長くすることで対応しているが、それでも治療が進むと合わないところが出てきて、印象取って軌道修正(追加アライナー・リファイメント)が必要になりやすいように思う。
その点アソアライナーは、1日15時間だとハードルが低く達成しやすい。

アタッチメント:
インビザラインではアタッチメントといって歯面にレジンの突起を接着する。歯を捻転させたり圧下・提出させたり歯体移動(傾斜を抑えた移動)するためには必要となるが、歯しか被っていない装置の保持のためにも必要なので、アタッチメントなしというわけにはいかない。私は管楽器奏者にはなるべく前歯部のアタッチメントは付けない治療計画にしているが、歯の移動方向によってはどうしても必要となり、演奏時に痛みや傷の原因となることがある。その場合は角を丸めて対応している。アタッチメントは残念ながら歯の裏側にはオーダーできない。
アソアライナーは基本アタッチメントは付けない。挺出などの時はアタッチメントが推奨されていたが、アタッチメントの必要な治療はトレーもデザインも用意されているインビザラインの方が楽である。最近は捻転などアソアライナーだけでは治りにくいケースでは2Dリンガルブラケットの併用が推奨されている。

つづく。

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April 11, 2017

管楽器奏者とマウスピース矯正(1)

マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピースで歯を動かし、マウスピースを交換して少しずつ動かしていく矯正治療の方法である。アライナー矯正ともいう。15年前くらいから普及し始め、現在は一般的な治療法になりつつある。
取外しできるという点で、管楽器奏者にとっては福音的な治療法であるといえる。
しかしながら、すべての歯並びにマウスピース矯正が望ましいわけではない。ちょっとした叢生の改善やスペースの閉鎖などにはとてもよいと思うが、複雑な治療が必要な場合、治療期間がとても長くなったり、本当に直したいところが終盤にならないと直らないなど、あまり向かないケースもあると思う。もちろん固定式のワイヤーじゃないとちょっと直せないという歯並びもある。なるべく早く直したいという人には、固定式装置とマウスピース矯正を併用して治療期間を短くする工夫を私はしている。

マウスピース矯正には多くの会社が参入し、いろいろな製品が存在する。大きく分けて「アソアライナー」タイプと「インビザライン」タイプの2つがあると言ってよいかと思う。
アソアライナーは、模型上で直接歯を動かしたセットアップを作製し、それにシートを圧接する。1つのセットアップで強さ(厚さ)の違う2~3つの装置を用意して弱い方から使用する。最後の装置になったら再度印象を取り新たにセットアップして次の装置を作る。1回ごとの装置代は比較的安価であるので、歯の移動が少ないケースに向いている。一般的に前歯の部分矯正が主な対象となる。
インビザラインは、精密な印象を取り、それをコンピューターに取り込んで最終の歯並びまで計画し、最初から最後までの装置をコンピューター上で設計して作製する。様々な工夫で歯の3次元的な移動が可能となっているが、印象採得にコストがかかり装置作製費も高額なため、全体的に動かしたいケースに向いている。
どちらも1つの装置を10日~2週間使用して、次の装置に取換えてちょっとずつ歯を動かしていく。

アソアライナー
http://www.aso-inter.co.jp/aligner.html

インビザライン
http://www.hanarabi-smile.jp/mouthpiece/

次回はアソアライナーとインビザラインの違いについて、管楽器奏者目線でまとめてみたいと思います。

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March 03, 2017

エナメル質形成不全

エナメル質形成不全というのは、歯が萌える前から歯の表面のエナメル質が一部なかったり薄かったりすることである。一部が凹んでいたり茶色かったりする。臼歯に多いような気がするが、前歯でも起こる。
管楽器演奏にどう影響があるかであるが、管楽器を始めた時からその形をしていて奏法が確立するのだから、まあ困ることはないと思う。しかしながら、見た目が悪いので治療して歯の形が変わったり、エナメル質が薄いので経年的に歯が欠けたりすることで影響が出ることはあるだろう。

この方はホルンを吹いているのだが、上の前歯2本がエナメル質形成不全で、唇側面に凹凸があり(ご本人によれば洗濯板の様であった)切端部も欠けている状態である。6年くらい前から見た目が気になり、他の歯科医院にてレジンによる治療を受けているが、半年に1度くらい外れて、その度にやり直してもらっているのだそう。
そのレジンが上唇にひっかかってスラーがうまくできない、高音域で上唇が痛いといった不具合があるということであった。
最初の日は時間がなかったので、とりあえず充填されている盛り上がったレジンを平らに整えたのだけど、それだけでもすごく吹きやすくなったとのこと。切端が短くガタガタになっているので、調整するともっと吹きやすくなりますよと提案し、後日形態の調整を行った。
歯の長さについては、切端位(下顎を少し前に出した位置)をとると犬歯が当たって中切歯は隙間がある状態だったので、少し長くしアンテリアガイダンスがバランスよくできるくらいに整えた。
それで随分良くなって吹きやすくなった様子。最初の印象では低音域が得意で高音域は苦手かと思ったら、元々上吹きということで、歯の長さが戻って息が絞れるようになり高音域が吹きやすくなったのだろう。
でももっとよくなると思い、厚さを調整した。中切歯2本の唇側エナメル質が薄いために、切端位で少々下の前歯が前に出るので、特に中切歯の近心部分を厚くして、切端位で上下のバランスが良くなるようにした。
そうしたら、予想通りではあるのだけど、予想以上に音色が良くなり(こう言っては何だが最初は間の抜けた音色だった)、何というか艶が出て、元々ポテンシャルのある人だったのだなと感心した。ご本人も一吹きしただけで吹きやすさを実感したようでした。

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初診時    →    歯の形態調整後(ともに咬合位)


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